苦労の末に完成した「Hybrid GFX 240mm LCS」ですが、
「G-Master Hydro X570A Extreme」のレビューでは、優秀な冷却性能を発揮しています。サイコムではグラフィックスカードの水冷化に伴い目標としているGPU温度はあるのでしょうか。
100%の負荷を長時間かけても最高温度が75℃以下になることを目標にしています。またファンの回転数も固定して、ノイズが気にならないように配慮しています。ファンの回転数を上げれば当然冷却性能も向上しますが、それでノイズが増えてしまっては本末転倒です。静音かつ空冷以上に冷える製品を提供することが「G-Master Hydro」シリーズの使命だと考えています。
今回標準の冷却ファンがENERMAX製ではなく、
Noctua「NF-A12x25 ULN」なのも静音性を重視するためですか。
その通りです。Noctua「NF-A12x25 ULN」の回転数は1,200rpm、ノイズレベルはわずか12.1dBAなのにも関わらず、1,600rpm前後の標準的なファンと遜色ないパフォーマンスを発揮します。
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| ファンの回転数を低く保ちながら、冷却性能を高めるため、Noctua「NF-A12x25 ULN」を採用することは、早い段階から決定していたとのこと | |
GeForce RTX 3090/3080では、GDDR6Xの採用や消費電力の増加によって、メモリや電源回路の冷却も重要になっていますが、そちらはどのように冷却をしているのでしょうか。
240mmラジエターで冷やしているのはGPUのみになります。VRAMやメモリはもともと実装されていた3連ファンクーラーを使い冷却しています。最大の熱源であるGPUの冷却が不要になったため、3連ファンの回転数は従来より低下しているにも関わらず、メモリや電源回路の温度も下げることができました。またGeForce RTX 3090/3080を搭載するグラフィックスカードでは大型化に伴い重量が増えていますが、「G-Master Hydro」シリーズには、サイコムオリジナルのビデオカードステイが標準で付属するため安心してください。
| 実質3スロットを専有する大型クーラーをそのまま流用することで、メモリや電源回路の冷却もこれまで以上に効果的に行うことができるようになった |
熱源を分けたことによる、副次的な効果もあるということですね。
GPUの温度低下に加え、電源回路の負担も軽減できたことでブースト機能の効果も向上し、より高いクロックを維持できるようになりました。また当然ながら温度が下がっているため、長寿命化も期待できるでしょう。ブロワーファンモデルに比べて、組み込みは大変になりましたが、3基のファンで基板全体を効率よく冷却できることから、メリットは大きいと考えています。
GeForce RTX 3090/3080に続き、先日
GeForce RTX 3070の水冷モデルもリリースされました。こちらはこれまで通りAsetek「740GN」を採用しています。
GeForce RTX 3070は、TGPが220Wとハイエンドモデルとしては控えめということもあり、従来通りの構成にしました。もともとTGP 250Wの
GeForce RTX 2080 Tiにも対応していたので、冷却性能に全く問題はありません。
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| GeForce RTX 3070の水冷ユニットはAsetek「740GN」で、冷却ファンにはENERMAX「UCTB12P」を採用 | |
GeForce RTX 3090/3080モデルの入手が難しいことから、待っていた人も多いのではないでしょうか。
それなりに好調です。ただし、「G-Master Hydro」のAMDモデルは、Ryzen 9 5950X/5900Xが圧倒的に人気のため、CPUの入荷を待っている人が多いです。またIntelモデルは、近日中に新製品のデビューが予定されていることから、様子を見ている人が多い印象です。新CPUがリリースされ、「G-Master Hydro Z590」(仮称)が発売されれば動きがあるでしょう。
秋葉原の店頭でも極端な品薄が続いていますが、GeForce RTX 3090/3080モデルの状況はいかがでしょうか。
残念ながら非常に厳しい状態です。特にGeForce RTX 3080は全く見通しが立っていません。初回分は1ヶ月程度持つであろうと想定した在庫を用意していたのですが、わずか4日間で完売しました。次回販売を再開する際には、余裕を持った在庫数を確保してからと考えています。
| サイコムでもグラフィックスカードの品薄の影響は大きいとのこと。特にGeForce RTX 3080についてはかなり深刻のようだ |
最後に1つ。AMDの新GPU Radeon RX 6000シリーズがパフォーマンスを伸ばしてきました。こちらの水冷化は検討していないのでしょうか。
もちろん、基板などの確認は行っています。ウォーターブロックを固定するリテンションを変更する必要はありますが、冷却性能や技術的にはそれほど難しくありません。要望が多ければ対応はできますが、いまのところは考えていません。