組立式だから楽しいのであって・・・
In Win Development(本社:台湾)のCOMPUTEXと言えば、2013年に発表された
「Tou」の記憶が蘇る。今から10年前、「強化ガラス」をPCケースに採用したパイオニアは、その後のPCケースに大きな影響を与え、現在まで脈々と受け継がれている。In Winとは、常にチャレンジを続けるメーカーというイメージが強い。
そして2023年のCOMPUTEXでは、
「iBUILD」と
「iSHARE」のキャッチフレーズを掲げ、新たなアプローチによる新作
「DUBILI」を披露した。"DO BELIVE”の造語とされる製品名は、そのスタイルを言い表している。

DUBILIは、完全組立式のフルタワーPCケースで、専用化粧箱には筐体を構成するパーツがギッシリと収納されている。2018年に
In Winの台湾工場をご紹介しているが、DUBILIは通常のラインを通る事無く、パーツの状態でパッケージされているスタイルが最大の特徴だ。
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組立式PCケースといえば、フレームとアクリルで組み立てる「Lubic」を思い出した読者もいるだろう。スタイルとしてはまさにソレで、開封するワクワク感は今も昔も変わらない
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現時点プロトタイプの域ながら、完成品は"完全に出来上がっている”。展示機のゴールドはゴージャスでありながら嫌みが無く、限りなく製品版のそれだ。

スペックをもう少し紹介すると、カテゴリはフルタワーで、素材にはアルミニウム、強化ガラス、スチール、さらに一部レザーを採用。マザーボードはE-ATXから搭載可能で、グラフィックスカードは長さ430mm、CPUクーラーは高さ160mm、電源ユニットは奥行き180mmまでの対応。

冷却はフロント120/140mmx3、トップ140mmx2/120mmx3、リア120/140mmx1、ボトム120mmx2/140mmx1で、ラジエーターのサポートは、フロント360/420mmサイズ、トップ360mmサイズとされる。

組立式PCケースだけに、各パーツの変更やカスタマイズは想定内。前後のU字型フレームをハンドルタイプにしたり、フロントパネルをソリッドパネルにしたり。さらにレザー素材を使い、冷たい印象のPCケースにアクセントを付けるなど、可能性はどのような方向にも膨らみそうだ。ブースにはシルバー色の完成品デモ機も用意され、そう遠くない将来に販売が開始される勢いだ。

一方で本稿のタイトルを”現時点組立式”としたのは、製品化された折には完成品として販売し、オプションパーツを別売するというスタイルが検討されているという。その理由はサイズが大きく「組立がタイヘン」ということのようだ。
組立式だから良いのであって、例の組立工場のラインに乗っては楽しさが半減(または激減)してしまう。流通事情もあろうが、筆者は断然反対の立場である事を付け加えておこう。どうかこの手で作らせてほしい。