広島工場では2026年中に量産開始予定
マイクロンメモリジャパン株式会社(本社:東京都港区)は2025年2月27日、10nmクラスでは第6世代となる次世代DRAMメモリ
「1γノードDRAMメモリ」に関するプレス向け説明会を開催した。
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| 製品の解説を担当した白竹茂氏によれば、コスト面やエコシステムの問題が解消されたこともあり1γ世代からEUV技術を採用することにしたとのこと | 
1γノードでは、Micronとしては初めてEUV(極端紫外線)露光技術を採用しているのが特徴。従来のArF露光(193nm)に比べて、EUV露光では波長が13.5nmと小さく、プロセスの大幅な微細化が可能。これによりウエハあたりのビット密度は1βノードに比べて30%も増加しており、より効率よくメモリを供給できるようになる。
さらにAIの普及によってデータセンターでは、保存するデータが飛躍的に増大しており、より大容量で高速なだけでなく、低消費電力なメモリの需要が高くなっているという。そこで1γノードではHigh-k(高誘電率)メタルゲートを使用した最新のCMOS技術に加えて、バックエンドや回路設計の最適化により、1βノードから電力効率は20%向上している。
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| AIの普及によってデータセンターの消費電力は増大しており、現在は全世界の約3%を使用している。さらにこのまま行くと2030年には8%に達することから、メモリも含めた省電力化が重要な課題になっている | 
またメモリスピードも8,000MT/s→9,200MT/sへと高速化されており、メモリスピードの影響が大きいゲームやクリエイティブな作業を行うコンシューマ向けのシステムでもメリットがある。
1γノードのメモリはまず16Gb DDR5 DRAMとして導入され、主要顧客向けにはすでにサンプルの出荷が開始されている。なお今回の製品は台湾で製造されているが、2025年中には広島工場にもEUV装置の導入が行われ、順調なら2026年中に量産が開始されるとのこと。
またMicronでは第7世代の1δノードや第8世代の1εノードの開発が進められている他、さらなる大容量化を目指して、NANDフラッシュではすでに実用化されている積層技術を採用したDRAMの研究なども行われている。