故きを温ねて新しきを知る
ZALMAN(本社:韓国)のブースで目に付いたのは、ラウンド形状のCPUクーラーたち。2025年の第3四半期から第4四半期にかけて国内販売が予定される
「ZET」シリーズを事前にチェックしておこう。

初めて見る製品なのに、ひと目でZALMANだと分かる強烈な存在感。その理由は、やはり特徴的なラウンド形状にある。ZALMANが世界的に著名な冷却機器メーカーとして広く認知されるようになった要因の一つは、やはり「CNPS」シリーズの存在だろう。
円形あるいは扇状の独特なヒートシンク構造を採用し、薄く鋭いアルミニウム(または銅)製の放熱フィンを放射状に配置。その中心に設置された冷却ファンが、360°にわたるエアフローで全体を効率的に冷却するという設計は、従来の常識を覆す新たなスタイルとして注目を集めた。この特徴的なデザインは、新モデルにも継承されており、ZALMANの象徴的な意匠として定着している。
今回発表された新たな製品群は、2016年7月に発売された
「CNPS9800 Max」を、現代の冷却技術によってリファインしたモデルとされる。冷却方式の基本構造は従来と同様ながら、デザイン面では現代的に洗練されており、約10年の技術的進化と時代の変化を感じさせる仕上がりが印象的だ。
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ZALMAN ZET 3
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シリーズの基礎となる
「ZET 3」は、円形ヒートシンクを横に倒し、サイドフロー型にしたCPUクーラー。この形状のトップフロー型は珍しくないが、そもそも横置きにする事で冷却ファンからの風の抜け方がストレートになり、冷却に有利である事は容易に想像できる。
外形寸法は幅126mm、厚さ74mm、高さ159mmで、対応TDPは150W。冷却ファンは2,000 rpm±10%、騒音値29.7 dBA±10%、風量69.12 CFM±10%、軸受けにはハイドロベアリングが採用される。
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ZALMAN ZET 4
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そしてバリエーションモデル
「ZET 4」は、ZET 3をベースに、上部へ着脱式のLCDパネルを装備。マグネットによる着脱式で、リアルタイムにCPUの状況が専用ソフトウェアを通じてモニタリングできるというもの。AIO水冷のウォーターブロックにLCDが付く製品がたくさんある中、空冷クーラーもデジアル表示など、サイドフロー型の天板を利用したインフォメーションは増えて行くかもしれない。
外形寸法は幅130mm、厚さ87mm、高さ159mmで、対応TDPは180W。冷却ファンは600~2,000 rpm±10%、騒音値29.7 dBA±10%、風量69.12 CFM±10%、軸受けにはハイドロベアリングが採用される。
そしてフラッグシップ
「ZET 5」は、デュアルファン仕様のハイエンドモデル。冷却ファンはポゴピンとマグネットによる"モジュラーファン”で、航空機のエンジンのカタチを模した製品とのこと。
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余談だが今から約22年前の2003年、Cooler Masterから同じくエンジンを模した「JET 7」という製品が発売されている。さて、ZALMANに当時を知るSTAFFは何人いるのだろうか
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外形寸法は幅130mm、厚さ117mm、高さ158mmで、対応TDPは200W。冷却ファンは600~2,000 rpm±10%、騒音値30.4 dBA±10%、風量44.48 CFM±10%、軸受けにはハイドロベアリングが採用される。
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「ZET 5」のパッケージ。多くのPCパーツメーカーとは異なり、パッケージにプラスチックやブリスターを使い続けるのは韓国流。初代ルービックキューブを思い起こさせる
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