最上位モデルは8コア/16スレッドに対応
「CES 2021」に合わせて行われた基調講演にて発表された、AMDのモバイル向け最新CPU
「Ryzen 5000 Series Mobile Processors」の詳細が判明したので早速お伝えしていこう。
コアマイクロアーキテクチャには、圧倒的なシングルスレッド性能を引っさげ市場に投入されたデスクトップ向け
「Ryzen 5000」シリーズと同じ
「Zen 3」アーキテクチャを採用。L3キャッシュ容量はこれまでの8MBから、2倍の16MBへと拡張されている。
また4基のコアごとに分割されていたL3キャッシュは1つに統合。全てのコアからL3キャッシュにアクセスできるようになったほか、コア間の通信にも「Infinity Fabric」が不要になり、レイテンシが大幅に低減されている。
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「Ryzen 5000 Mobile」では、デスクトップ向けと同じく、全てのCPUコアが全てのL3キャッシュにアクセス可能。「Zen 2」で発生してた他のブロックに実装されているCPUコアやL3キャッシュへアクセスする際の遅延が解消されている
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「Zen 3」と「Zen 2」のピンレイアウトは同じため、従来の基板設計をそのまま流用できる
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一方、グラフィックスコアについては残念ながらコアアーキテクチャの変更はなく、7nmプロセスのVegaグラフィックスを内蔵。ただしGPUクロックは約1.2倍の最高2,100MHzに引き上げられ、ピーク性能はFP32が2,150GFLOPS、FP16では4,300GFLOPSに達するという。
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内蔵GPUは7nmプロセスのVegaグラフィックスで、GPUコアは最大8基
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メモリコントローラの改良や、GPUコアの引き上げ等によって、グラフィックス性能も従来から向上
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さらにアイドル時や低負荷時の消費電力をより抑えることができる「Deep Power State」対応のメモリコントローラや、CPUコアやグラフィックスコアごとに異なるコア電圧を供給できる「Per Core On-Chip Power Regulation」によって、バッテリ駆動時間も大幅に引き上げられている。
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電源管理の方法にも大きく手が加えられ、パフォーマンスが向上しているのも関わらずバッテリ駆動時間は延長
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製品ラインナップはゲーマーやコンテンツクリエイター向けのハイパフォーマンスな
「H」シリーズと、薄型・軽量ノートPC向けの省電力な
「U」シリーズの2シリーズ。いずれもCPUコア数は最高8コア/16スレッド、グラフィックスコアは最高8コアを搭載する。
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「Ryzen 5000 Series Mobile Processors」の製品ラインナップ。「U」シリーズの一部に「Zen 2」アーキテクチャモデルがある
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なお「H」シリーズには、オーバークロックに対応するエンスージアスト向け
「HX」モデルと、ワットパフォーマンスを追求したTDP35Wの
「HS」モデルも用意される。また「U」シリーズの一部モデルは、「Zen 2」アーキテクチャを採用しているので、購入する際には注意が必要だ。
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「Zen 3」アーキテクチャを採用したことで、シングルスレッド性能が大きく向上した
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