セキュリティ機能も大幅に強化されたサーバー向けCPU
昨年3月に開催された
「Financial Analyst Day 2020」や、今年1月の
オンライン基調講演でアナウンスされていたAMDの第3世代サーバー向けプロセッサこと、
「EPYC 7003」シリーズが正式発表された。
コアアーキテクチャは昨年11月に登場した
Ryzen 5000シリーズと同じ「Zen 3」で、インターフェイスやメモリコントローラ、セキュリティプロセッサなどを備えた「cIOD」に、最大8コアのCPUダイ「CCD」を8基接続するチップレット構成を採用する。
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「cIOD」に、最大8基のCPUダイ「CCD」が「Infinity Fabric」経由で接続されているチップレット構成を採用
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また「CCD」の構成はこれまでの4コアCPU+L3キャッシュ16MBx2から、8コアCPU+L3キャッシュ32MBx1に変更。32MBの大容量L3キャッシュを8つのコア全てで共有できるようになったことで、レイテンシが大幅に軽減されている。さらにロードストアやフロントエンド、分岐予測などの最適化もあり、IPCは実に19%も向上している。
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「Zen 2」と「Zen 3」の比較。ロードストアやフロントエンド、分岐予測などが高速化されている
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「CCD」の構成も大きく改良され、特にL3キャッシュアクセス時のレイテンシが低減している
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その他、SpectreやSpectre V4、MeltdownなどのCPUの脆弱性が解消されているほか、新たにメモリの整合性を保証する「SEV-SNP」や、メモリの脆弱性を利用したフローアタックを阻止する「Shadow Stack」など、メモリ関連のセキュリティ機能も追加されている。
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「EPYC 7003」シリーズでは、従来モデルからセキュリティ機能も強化されている
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プラットフォームはSocket SP3で、EPYC 7002のシステムでもファームウェアのアップデートで利用可能。CPUコア数は8コアから64コア、メモリは8チャンネルのDDR4-3200で、最大TDPは280W。
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「EPYC 7003」シリーズには、コストパフォーマンスに優れるスタンダードモデルのほか、シングルスレッド性能を重視した高クロックモデルと、マルチスレッド性能を重視した多コアモデルの3つのセグメントが用意される
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AMDの資料によれば、「EPYC 7003」を導入することで、Intel Xeonシリーズと比較して最大117%ものパフォーマンスアップが期待できるという
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なお各モデルのスペックと市場想定売価は以下の通り。