「UL Procyon」はアドビのクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストだ。比較用にクリエイター向けノートPC (Intel Core i7-10870H/32GBメモリ/1TB NVMe SSD/NVIDIA GeForce RTX 3070)の結果を含めている。
「Photo Editing Benchmark」は画像加工に関するテストを行なう。「Image Retouching」は「Adobe Photoshop」メインでGPU性能が影響しやすく、「Batch Processing」は「Adobe Photoshop Lightroom Classic」メインでCPUとストレージ性能が影響しやすい。「Video Editing Benchmark」は「Adobe Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間が計測される。こちらの結果は総合スコアのみだ。
結果を見ると、「Video Editing Benchmark」ではかなり低い結果が出ている。このテストではCPU性能だけでなくGPU性能が求められるので、内蔵GPUを使う「Summit E13 Flip Evo」では仕方がない結果だ。しかし画像中心の「Photo Editing Benchmark」の結果は悪くはない。本格的なクリエイター向けノートPCには及ばないものの、枚数の少ないRAW現像やちょっとした写真加工であれば問題なく行なえるだろう。
結果は9時間39分で、公称値の18時間を大きく下回った。もっとも「最大18時間」であるため、バッテリの消費量によっては当然このような結果も起こりうる。ただし「BBench」のテストはどちらかというとバッテリ消費量が少ないため、Webブラウジングよりも負荷の高い作業を行なえば駆動時間はさらに短くなるだろう。外出先でネットの調べ物やちょっとした文書作成などを行なうのであればおそらくバッテリ切れの心配はないが、ソフトを複数使って多少負荷の高い処理を行なうのであれば念のために電源アダプターを持ち歩いたほうがいい。
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| 「CINEBENCH R23」を10分間実行し続けた際のCPU温度およびCPUクロックの推移 |
「High Performance」時はCPUの空冷ファンを最大出力で動作させているため、消費電力は平均68.4WとモバイルPCとしてはなかなか高い。特にアイドル時でも空冷ファンが動作するため、電力を無駄に消費している状態だ。それに反して「Balanced」時は高負荷時の出力はやや抑えられているものの、アイドル時の消費電力は「High Performance」時の47%程度と低い。外出時や普段は「Balanced」を選び、ちょっとパワーが欲しいときのみ「High Performance」に変更するといいだろう。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社