まずはシステム情報の表示やパフォーマンスが計測できる「AIDA64」を使用し、メモリ帯域とレイテンシをチェック。ベンチマークの「Cache&Memory Benchmark」を実行し、「Memory Read」「Memory Write」「Memory Copy」「Memory Latency」のスコアを確認した。
メモリ帯域を確認すると「Memory Read」「Memory Write」「Memory Copy」は、いずれもDDR5-4800から大きく向上している。最もスコアが伸びたのは「Memory Read」で、約59%も向上している。「Memory Write」では、やや差は縮まるものの、それでも約42%向上し、「Memory Copy」では約54%と、「Memory Read」に次いで大きくスコアを伸ばしている。
また、レイテンシも96.2nsから73.7nsに削減されている。動作クロックだけでなく、CL38の低レイテンシ駆動の効果も、しっかりと現れている。
続いて総合ベンチマーク「Sandra 20/21」でも、メモリ帯域とレイテンシをチェックしておこう。ベンチマークは「メモリーの帯域」と「メモリーのレイテンシ」の2つを実行している。
「AIDA64:Cache&Memory Benchmark」と同じく、「メモリーの帯域」のスコアはDDR5-4800から大きく伸ばし、すべてのベンチマークで約67%も向上している。レイテンシも同様で、2割以上も削減された78.2nsを記録している。
次はCPUの性能を計測するレンダリング系ベンチマークのCINEBENCHで、メモリクロックの影響を確認していこう。ここでは、CINEBENCH R15/R20/R23の3種類のベンチマークで計測を実施した。
CINEBENCH系は、CPUでの処理がメインで、メモリクロックとタイミングの影響がほとんどないのもあり、8,000MHzと4,800MHz駆動でも有意な差は出なかった。
続いて「V-Ray」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray Benchmark」のスコアを確認しておこう。ベンチマークは最新バージョンの”6.00”と、これまで使用してきた”5.02”で実施している。
CINEBENCH系と同じく、こちらもオーバークロックメモリの影響が少ないベンチマークとして知られているが、DDR5-4800から、バージョン”6.00”で約3%、”5.02”で約2%スコアが向上していた。
レンダリング系の最後は、3Dモデリングソフト「Blender」の性能を測る「Blender Benchmark」を確認しておこう。「Blender」のバージョンには、4.1.0を選択し、レンダリングはCPUで実行した。サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用している。
ここまでのレンダリングベンチマークと同じく、メモリクロックの影響はあまり確認できなかった。3種類のサンプルのなかでは、「junkshop」でやや差が大きく、DDR5-8000は約4%スコアが向上していた。
次はメモリクロックの影響が出やすい圧縮・解凍ソフト「7-Zip」の内蔵ベンチマークの結果をみていこう。
データの圧縮と展開の2種類の処理を実行してCPUの処理能力をみる「7-Zip」の内蔵ベンチマーク。展開(解凍)時はメモリクロックの影響はほぼないが、圧縮時はメモリ領域を使用するため、DDR5-4800からスコアを約36%も伸ばしている。最速を求めるユーザーは、注目だろう。
続いては実使用シーンを想定したベンチマークで確認していこう。まずはPC全体のパフォーマンスを計測する「PCMark」を実施していこう。プリセットには、ゲーミングテストも実施される「PCMark 10 Extended」を選択した。
総合スコアとテストセッションごとのスコアを確認すると、メモリクロックとタイミングの影響は小さく、今回のテストではほぼスコアは並んでいた。
次に実施したのは、実際にアプリケーションを使い処理性能を確認できる「UL Procyon」だ。ここではAdobeの写真編集アプリ「Adobe Photoshop」と写真現像&整理アプリの「Adobe Lightroom Classic」のパフォーマンスを測る「UL Procyon Photo Editing Benchmark」を実施していこう。
実際に写真の編集処理を行うため、メモリクロックが高速なほどスコアが伸びる傾向にあるテストだ。総合スコアで約5%、「Adobe Photoshop」を使用する「Image Retouching score」では約6%、「Adobe Lightroom Classic」を使用する「Batch Processing score」で約4%の差が出ている。趣味で使うユーザーも多いAdobeの写真アプリケーションで、数%だが処理能力が向上するのは、ありがたいところだろう。