高さ1m以上で重量は60kg超え。とにかく巨大な40周年祝福トロフィー
毎年、大規模なブース展示で注目を集めるIn Win Development(本社:台湾)だが、今年のCOMPUTEXでは会場を南港展覧館から離れ、GRAND HILAI TAIPEIの一室にプライベートブースを構えるという選択をした。その理由について詮索しても仕方がないが、展示されていた
「ChronoMancy」を見るかぎり、InWinらしさは健在だった。

「ChronoMancy」は、COMPUTEXに合わせて用意されたInWinのコンセプトモデルだ。例えるなら自動車ショーで発表される“未来カー”のような存在で、その時点での技術の粋を集めたモデルと言える。その多くは市販化されることなく終わるが、InWinにはそれを実際に製品化してきた実績がある。今年2月に紹介した約100万円のPCケース
「Infinite」も、元はCOMPUTEX TAIPEI 2024で披露されたコンセプトモデルだったが、同年12月から販売が開始された。
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2025年2月にレビューを行った「Infinite」(型番:IW-CS-INFINITE)。COMPUTEX 2024年のコンセプトモデルは12月より市販モデルに昇格。売価約100万円はさすがに度肝を抜かされた
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「Infinite」をも超える可能性を秘めた「ChronoMancy」は、InWinの創立40周年を記念して制作されたモデルだという。その形状はトロフィーをモチーフにデザインされており、これまでの40年にわたる数々の受賞歴を振り返り、それらを象徴的に集約したメモリアルモデルということらしい。なるほどそれに相応しい重厚な物体は、見れば見るほど味わい深いPCケースである事がわかる。

まず注目したいのは、外周を覆うサイドパネルが電動開閉式になっている点だ。しかも、タクトのような杖状コントローラーが用意され、これを振ることでサイドパネルの開閉やLEDイルミネーションのカラー変更ができる。まるでハリー・ポッターの魔法の世界を思わせる仕様だが、遊び心としてはかなり本格的で、大胆なギミックだ。
"魔法による動作”にとらわれがちだが、滑らかでスムーズな開閉機構を支えているのは、下部に用意された上下2枚の円形ギアだ。この機械的な仕掛けにより、サイドパネルは実にスムーズに動作し、非常に精密な作りであることを窺わせる。

そしてトップ部に装着されているブリーのアクリル製カバーをよく見ると、歴代のコンセプトPCケースがデザインされていた。

カバー内部にはマザーボード(ROG MAXIMUS Z890 HERO BTF)が90°倒立スタイルで搭載されており、CPU(Core Ultra 9)の冷却にはBitspowerの本格水冷を採用。さらに垂直レイアウトのハイエンドグラフィックスカード(ROG Astral GeForce RTX 5080 16GB GDDR7 OC Edition)や長尺ラジエーターなども整然かつスマートに搭載されていた。

外形寸法の詳細は未確認だが、高さは1mを超え、重量は60kg以上に達すると見られる。この「ChronoMancy」をデザインしたのは、笑顔でタクトを手にするMichael Wang氏。そしてセールス担当のAndy Tsai氏によれば、やはり“製品化”される予定とのことだ。年内の発売を目指しており、価格については「Infiniteよりも抑えたい」とのこと。