前方右斜めから外気を取り込む“セミサイドファン”
ZALMAN(本社:韓国)の新型PCケース
「P60」は、ピラーレスデザインPCケースの「弱点」を解消するエアフローデザインがキモになっている。さてそれは何か。

「P60」の概要を把握しておくと、フロントと左側面が一体化したシームレスなパノラマ仕様のガラスパネルを採用。内部の各パーツはARGB LEDイルミネーションによって際立ち、選定されたパーツやキレイにまとめられた配線が映えるPCが構築できる。
一方で、ピラーレスデザインのPCケースでは、フロントパネルに強化ガラスが使われているため、冷却ファンを搭載できないという制約がある。これは、このスタイルのPCケースが登場した当初から懸念されていたポイントであり、「ピラーレスデザイン=エアフローに不利」という見方があることは事実だろう。

そこで「P60」では、フロントパネルと右側面の角を斜めにデザインし、その部分に120mmファンを3基搭載。いわば“セミサイドファン”のような構成で、わずかでも前面からの吸気を確保しようという工夫が見られる。この手法がどれほど効果的かについてはやや疑問が残るものの、何とか解決策を見出そうとする設計者の意図は十分に伝わってくる。

さらにリアには120mmファンを2基装備し、オプションの増設箇所を含めて最大11基の冷却ファンが搭載できる。対応マザーボードはATX、MicroATX、Mini-ITX。外形寸法は幅290mm、奥行き470mm、高さ480mm。なお、国内での販売は年内中を目処としており、売価は現時点未定という。