従来から熱伝導率は3.5倍に、熱抵抗も47%向上
SK hynix(本社:韓国)は2025年8月27日(現地時間)、業界で初めてHigh-K EMCを採用した高効率放熱のモバイルDRAM製品について、供給開始を発表した。
エポキシ樹脂成形材料(Epoxy Molding Compound/EMC)は、水・熱・衝撃・電荷などの外部環境からチップを保護しつつ放熱を行う、半導体パッケージングにおいて不可欠な材料。今回発表されたDRAM製品には、高熱伝導材料を採用して熱伝導率を向上させたHigh-K EMCが使用されている。
多くのフラッグシップスマートフォンはパッケージ・オン・パッケージ構造を採用し、DRAMをアプリケーションプロセッサ上に積層して内部スペースを効率的に利用しているところ、AP内で発生した熱がDRAMに滞留してパフォーマンスを低下させてしまうという問題があった。そこへHigh-K EMCを導入したことで、熱伝導率は3.5倍に向上、熱抵抗も47%改善しているという。
AIアプリケーションの高速データ転送による熱問題の解決が期待されており、スマートフォンの性能向上および省電力の削減、バッテリ駆動時間と製品寿命の延長といった効果が見込まれている。