「6」から「7」へ
今から10年前の2010年。当時、日本市場では無名の新興メーカーだったFractal Designに直接コンタクトを取り、国内未発売の
「Define R2」を空輸。徹底検証をお届けしたのはその年の5月の事だった。2ヶ月後には国内代理店が決まり、
「Define R3」から国内流通がスタート。これが日本市場におけるFractal Designの始まりになる。
一貫した静音コンセプトを柱に「Define」シリーズは2018年1月に発売された6代目
「Define R6」へと進化。そのバリエーションモデルとなる"6.5代目”
「Define R6 USB-C」は2018年10月にデビュー。ここまで世代が変わる毎に「Define」シリーズを追い続けてきた。
そして今回取り上げる
「Define 7」は、シリーズ7代目に当たる最新作。ゼロベースから設計をやり直したとされる「Define R6」(またはDefine R6 USB-C)から、どのように進化しているのか。さらに
モデル名から「R」が消えた理由とは。
ATXミドルタワーの定番「Define R6 USB-C」との違い
新作「Define 7」を検証する前に、既存モデルとの違いを確認しておきたい。まず筐体サイズは新モデルで幅が240mm(+7mm)、奥行き547mm(+4mm)、高さ451mm(+3mm)と、僅か数ミリのサイズアップ。外観に大きな違いは見られない。
とは言え製品資料の比較表をじっくり確認すると、ストレージ収納力が向上し、冷却ファンはマウントスペースの改良で、エアフローレイアウトが見直されているようだ。さらに細かい所では、拡張カード有効スペースおよび裏配線スペースが拡大。見た目とは裏腹に、マイナーチェンジ以上の進化が遂げられている。
ラインナップについては、ボディカラーがブラック、ホワイト、グレーの3色がベースとなり、仕様違いで全9種類を用意。国内正規代理店の
株式会社アスク(本社:東京都千代田区)によると、いずれも国内市場での取り扱いが決定しているという。
スペック表に見る「Define 7」シリーズ全ラインナップ
予習の最後に、「Define 7」シリーズのスペック表を確認しておきたい。フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITXで、幅285mmまでのE-ATXにも対応。既に紹介済みの外形寸法から、一般的なミドルタワーPCケースとしては、やや大型な部類に入るだろう。その他詳細については、個別に解説を行うことにする。
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外装パッケージサイズは、幅363mm、奥行き558mm、高さ641mm。重量もさることながら、サイズも大型だけに、店頭からの持ち帰りはカートが必須
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