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AMD「Ryzen 9 3900X」 実勢価格税込60,000円前後(日本AMD株式会社)
AMD「Ryzen 7 3700X」 実勢価格税込41,000円前後(日本AMD株式会社)
AMD「Ryzen 5 3500」 実勢価格税込16,000円前後(日本AMD株式会社)
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自動OC機能により、TDPと消費電力に大きな開きがある最新CPU
メニーコア化や、アイドル時の電力を抑える省電力機能の実装により、消費電力が大きく変動するになったCPU。そうなると、アイドルから高負荷に移行した瞬間や、メニーコアCPUに対して少ないコア(スレッド)に負荷が掛かる状況では、CPUの温度が上がりきらず、冷却に必要になるクーラー性能の指標とされる「TDP」(Thermal Design Power:熱電力設計)に余裕がある状態になる。その余裕を活かすため、CPUには自動オーバークロック機能が実装されるようになった。
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第2世代Ryzenシリーズから、大幅に機能が強化されたAMDの自動オーバークロック機能。冷却性能などに余裕がある場合、より高いクロックを維持できるようになった
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さらに最近では、自動オーバークロックの機能が大きく進化。AMDの
「Precision Boost 2」や
「Extended Frequency Range 2」(XFR 2)、
「Precision Boost Overdrive」、Intelの
「Intel Turbo Boost Technology 2.0」や
「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0」では、CPUへの負荷や温度、CPUクーラーの冷却性能、消費電力などの複合的な要因を細かくモニタリングしながら、安全圏内でクロックを引き上げ、パフォーマンスを高めている。
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Ryzen 9 3900X(左)とCore i9-9900K(右)の「HWiNFO64」の結果。マザーボードのセンサー値のためあくまでも参考ながら、TDP 95WのCore i9-9900Kが、TDP 105WのRyzen 9 3900Xを約20Wも上回ることがあった
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一方で、この自動オーバークロック機能によって、最近のCPUではTDPと実際の消費電力に差が発生している。例えば、今回検証に使用する
TDP 105Wの
「Ryzen 9 3900X」の「Package Power Tracking」(PPT/CPU+SoCの最大消費電力)は
142W、
TDP 65Wの
「Ryzen 7 3700X」と
「Ryzen 5 3500」はそれぞれ
88Wに設定され、いずれもTDPとの差は約35%と大きな開きがある。
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Ryzen 9 3900Xの「Ryzen Master」のスタンダード設定
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Ryzen 7 3700Xの「Ryzen Master」のスタンダード設定
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Ryzen 5 3500の「Ryzen Master」のスタンダード設定
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そこで今回は、さまざまなベンチマークテストを実施し、そのパフォーマンスと消費電力を計測。ライバルとなるIntelの対抗モデルも用意し、用途ごとワットパフォーマンスに優れるオススメのCPUはどれなのか探っていくことにしよう。