ゲームタイトルを使ったパフォーマンスチェックの最後は、重量級アクションゲームの「Watch Dogs Legion」だ。グラフィック設定(「グラフィック品質」)は最高品質になる「最大」、解像度はこれまで通り3種類で、レイトレーシング機能(「最大」)とDLSS(「バランス」)に設定した状態でも計測を行っている。計測はゲーム内ベンチマークを利用している。
重量級タイトルだが、FPSやバトルロイヤル系ゲームほどの高フレームレートは必要とせず、60fpsオーバーがゲームを快適に楽しめる目安になる。とは言え、レイトレーシングを最大限効かせると、DLSS(バランス)を併用しても、60fpsを超えるのはフルHD解像度のみで、GeForce RTX 3070 TiのターゲットとなるWQHD解像度では、ギリギリ60fpsに届かなかった。美麗な画質を維持したままゲームの世界を十分満喫できるが、60fpsを維持するには、若干グラフィック品質をカスタマイズする必要はあるだろう。もちろん、レイトレーシングを無効にすれば、WQHD解像度でもまったくストレスなくゲームを楽しむことができる。
4K解像度はさすがに厳しく、レイトレーシングを無効にした状態でも40fps台に留まっている。重量級ゲームを4K解像度で快適にプレイするには、上位GPUのGeForce RTX 3080/RTX 3080 Tiが必要だ。
「Watch Dogs Legion」など、多くのゲームはレイトレーシングの有効/無効などの設定変更時にゲームの再起動は必要なく、シームレスに変更できるので、シーンに合わせてサクッと切り替えて、プレイを楽しむのもありだ。
ゲームタイトルを使ったパフォーマンスチェックでは、残念ながらデフォルトの「GAMINGモード」と「Extreme Performanceモード」のフレームレート差は誤差の範疇で、「Extreme Performanceモード」のほうが低いフレームレートになることも多かった。モードでPower Limitに違いはないので、大きな期待はしないほうが良いだろう。
「GeForce RTX 3070 Ti SUPRIM X 8G」では、TGPがNVIDIAリファレンスから、さらに20Wアップの310W(最大330W)になるだけあって、CPUとGPUに高負荷のかかるテスト中の消費電力は440Wに達している。MSI推奨にあるように、電源ユニットの容量は750W以上であれば問題ないが、80PLUS認証を取得する電源ユニットの変換効率が最も良いのは50%出力時なので容量850Wを狙うのもありだ。
GPUコア内で最も高い温度となるGPUホットスポット温度は76℃前後になるが、GPUコア温度はMSI最上位VGAクーラーとなる「TRI FROZR 2S」だけあって、66℃台までしか上がっていない。VGAクーラー次第では、80~90℃台に達することもあるGDDR6Xメモリの温度も同様で、最大でも78℃に抑え込んでいる。バラック状態でのテストになるが、「TRI FROZR 2S」が優秀な冷却性能を持っているのは間違いない。
テスト実行中のファン回転数は、概ね62%前後、回転数2,000rpm程度になっていた。騒音値をグラフィックスカード側面から30cmほど離れた位置で計測すると、40.8dBAに達したがPCケースに収めてしまえば気にならないだろう。ファン回転数を10%刻みで変更して騒音値を計測してみると、50% 1,650rpmまでは40dBAを切っており、70% 2,280rpmでも41.4dBAとまずまずの騒音値になっていた。組み合わせるPCケース次第だが、70%前後までならゲームプレイの邪魔をすることはないだろう。
|
| コスパはダウンするが、PCに搭載したときの優越感はかなり高い「GeForce RTX 3070 Ti SUPRIM X 8G」 |
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社