「Neptune 240 ARGB」のチューブ長は348mm。240mmサイズラジエターが搭載できるフロントパネルまでは十分で、ストレスなく収める事ができている。マザーボードに続き、搭載に関する問題や、作業のしにくさは感じなかった。
「P82 Silent」の拡張カード固定は、筐体外部からネジ留めを行う。少しでも拡張カード有効スペースを稼ごうという設計だが、今回の構成ではこれが功を奏し、どうにか組み込む事ができた。結果的に搭載後のクリアランス(グラフィックスカード末端からラジエターまで)は約15mm程度を残しているが、長尺基板を限られた空間に滑り込ませる作業は、あちこちをぶつけそうになる。
有効スペースとは、グラフィックスカードの長さが範囲内であっても、実際に搭載する作業スペースは考慮されていない(電源ユニットはマージンがとられているケースが多い)。固定方法にも影響するが、構成パーツをチョイスする際には、ある程度の余裕はみておく必要がある。
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| 慎重に作業することで今回は収める事ができた。ラジエターを取り外し、作業手順を変える事でもう少し楽に搭載できる余地はあるだろう |
今回取り上げた「P82 Silent」は、Performaシリーズの中でも普及価格帯に位置するミドルタワーPCケースだ。想定売価もさることながら、「P101 Silent」ほどガチガチな静音対策は施されておらず、防音シートも両サイドパネルに貼り付けるだけに留められた。ベース筐体が高エアフロー志向の「P82 Flow V2」である事を思えば合点がいくし、"マイルド静音”PCケースの仕上がりでも納得だろう。
設計自体はAntecのそれで、工作精度も価格によりバラツキがあるワケではない。構成パーツの組み込み易さもプラス材料だ。今回はバリエーションモデルという立ち位置だが、ベースがしっかりしているだけに、新たな展開ができる好例といったところだろう。Antecはこの手の仕事が実に手慣れている。
協力:Antec
株式会社リンクスインターナショナル