ここからは高負荷ワークロードを実行して、「LS720」の実力を試していこう。ストレステストには「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」と、「OCCT 11.0.5:CPU(データセット 大、テストモード エクストリーム、負荷タイプ 一定、35分間)」を利用している。
Core i9-12900Kの動作に影響するCPUパワーリミットの設定は、最大パフォーマンスを発揮した際の消費電力である「Maximum Turbo Power(MTP)」を241W(PL1/PL2:241W)に設定した状態を「Intel標準設定」。実質電力制限が外れた状態となる、MTP:4,096W(PL1/PL2:4,096W)に設定した状態を「リミット解除設定」として実行している。
| 「リミット解除設定」時の最大「CPU Package Power」(HWiNFO64 Pro読み)は254.413Wを記録していた |
Core i9-12900Kの定格MTPとなる241W(PL1/PL2:241W)で動作させた「Intel標準設定」では、最大で97℃とサーマルスロットリングが発生しない温度に抑え込めている。ただ、Pコアの動作クロックは、オールコア負荷時の最大クロックとなる4,888MHzから僅かにダウンした4,788MHzと4,888MHzで上下している。「CPU Package Power」も、「Intel標準設定」の最大値である241Wから若干下がる230W台での推移になっている。「リミット解除設定」では最大温度が103℃に達し、テスト中の平均温度も97℃台だ。「LS720」で、Core i9-12900Kがフルロードされるアプリケーションをメインに使うなら、もう少し冷却性能が欲しいと言わざるを得ない。
「OCCT:CPU」は、写真や動画の軽い編集作業、ゲームなどといった実使用に近い状態を把握することができる。テスト実行中の動作クロックは、オールコア負荷時の最大クロックとなるPコア4,888MHz、Eコア3,691MHzに達するが、CPUに非常に高負荷をかける「CINEBENCH R23」と比べると、「OCCT:CPU」の負荷は低めだ。「Intel標準設定」「リミット解除設定」ともに、「CPU Package Power」も170W台と「CINEBENCH R23」実行時から60~80Wもダウンしている。実際、Core i9-12900Kの性能を引き出す「リミット解除設定」時の最大CPU温度は80℃を記録しているが、テスト実行中の平均値は71.42℃と、全く不安のない温度に抑え込んでいる。