KVMスイッチ市場のリーディングカンパニー「ATEN」
まずはATENというメーカーについて簡単に紹介しておこう。その歴史は古く1979年に台湾で設立。以降、KVMスイッチやリモート管理ソリューション、ビデオ関連製品、USB周辺機器、データ通信機器など接続・共有技術におけるコネクティビティとその管理ソリューションを専門とするメーカーとして成長を続けてきた。現在では北米、欧州、アジア各国に拠点をもつほか、2004年には日本法人としてATENジャパンが設立されている。
特にKVMスイッチ市場では世界的なリーディングカンパニーとして知られており、シェアは
世界ナンバーワンを誇っている。KVMスイッチの購入を一度でも検討したことがある人なら、聞いたことがあると言う人は多いはずだ。
発売されたばかりのKVMスイッチ最新モデル「US3312」
ここでKVMスイッチ(切替器)についても改めておさらいしておこう。KVMとは、キーボード(Keyboard)、ビデオ(Video)、マウス(Mouse)の頭文字を取ったもの。ユーザーが複数のPCを1組のキーボード、ディスプレイ、マウスを使って操作するのが目的の製品だ。最近ではスピーカーや外付けストレージといったUSBデバイスも共有できるものが多い。
そんなATENが2023年1月に発売した
「US3312」が今回の主役だ。ここ数年で急速に普及しているUSB Type-C接続に対応したKVMスイッチの新製品。DisplayPortで接続した液晶ディスプレイの画面に、PCやノートPC、スマートフォン、タブレットなど、DP alt modeに対応するUSB Type-Cデバイスを本体ボタンで切り替えて表示できる。例えば
「自宅や会社のデスクトップをきれいにしたい」または
「もっとスペースを有効活用したい」といった方向けにピッタリのアイテム。省スペース化やコスト削減のほか、作業時間の短縮といった効果も期待できる。
ATENの特許技術
「Video DynaSync」機能を備え、すべてのOSでポート間の切替え時に正しい解像度とディスプレイ構成を維持できるのも特徴。起動時のディスプレイの問題を解消し、スムーズなデスクトップ操作が可能になる。本製品の目玉機能として、こちらは後半の動画セッションで解説している。
そのほか、コンソールポートはDisplayPortメス×1、USB Type-Aメス×2(キーボードとマウス用)、KVMポートはUSB Type-Cオス×2(CPU1/CPU2)。ディスプレイ最大解像度はデジタルシネマ向けの標準規格、
DCI 4K 4,096×2,160@60Hz(4:4:4)に対応。また、MacBookではMagSafeやThunderboltを別途給電することで、スリープさせずに映像を出力させるクラムシェルモードにも対応する。
ケーブル長はKVMが1.2m×2、ワイヤードリモコンが1.8m×1、本体サイズは幅83.4mm、奥行き84.2mm、高さ29.9mm、重量0.19kg。消費電力は0.74Wで、電源はバスパワー駆動で動作するため配線もスッキリしている。