Noctua「Offset AM5 Mounting Bar」の理屈
Noctuaが2023年6月13日に発表した
「Offset AM5 Mounting Bar」。NoctuaのCEO・Roland Mossig氏によると
「Ryzen 7000 ユーザーにとって非常に興味深いであろう、パフォーマンス向上アイテム」とされる。

どういう事かと言うと、Ryzen 7000シリーズは、ヒートスプレッダの中央部分にI/Oコア「IOD」が位置し、その下のエリアに発熱が高くなる「CCD」が実装されている。もっとも熱を持つ発熱体「CCD」に、CPUクーラー受熱ベースの中央を合わせる事で、1~3℃までの温度低下が実現できるという考えだ。

裏を返せば、少なくともNoctua製CPUクーラー(空冷)とは、ベースプレートの真ん中が最も受熱性能(あるいは効率)が高い事を意味し、熱源に対しピンポイントにずらすだけで温度を下げようという、ややアナログな手法による性能向上が製品の狙いなのだ。
Noctuaとは付き合いの長い筆者としても、現状やや懐疑的な立場にあるが、さて実際に検証をしたところで思うような結果は得られるのだろうか。今回はCOMPUTEX会期中にNoctuaから直接受け取った評価サンプルを使い、その効果をチェックしてみたい。
まずはラインナップの紹介
|
|
COMPUTEX TAIPEI 2023の会場で披露された「Secound generation NH-D15 cooler」。手にするのはNoctuaのプロフェッサー・Jakob氏
|
Offset AM5 Mounting Barには、複数の種類が用意されている。Noctuaの製品サイトで開示されている一覧表が最も詳しいが、「
NM-AMB12」「
NM-AMB13」「
NM-AMB14」「
NM-AMB15」の4種類に加え、ブラックカラーの「chromax.black」も
「NM-AMB15」と
「NM-AMB12」に用意され、合計6種類が揃う。言うまでもなく、製品に合ったモデルを選ぶ必要があるわけだ。

なおNoctuaによると、Offset AM5 Mounting Barは基本的に保守部品扱いで、純粋な新製品のラインナップに加わるものではないらしい。プレスリリースにも詳しく記載されているが、NoctuaのWebサイトまたはAmazon経由にて、送料と手数料さえ負担すれば、頒布するというスタンス。さらに第4四半期以降に販売されるCPUクーラーについては、リテンションキットとして同梱される計画が発表されている。
ちなみに国内代理店の株式会社サイズ(本社:千葉県松戸市)によると、国内市場でも保守部品として近く販売が予定されているという。海外とのやりとりが不安な人は、正規ルートでの入手がオススメだ。
【追記】株式会社サイズからの情報アップデートにより、国内での販売は行われない事になりなりました。(2023/6/30)