Fractal Design「Era 2」内部構造チェック
次にコンパクトながらも仕掛けが詰まった、Era 2の内部構造を詳しく見ていこう。まずはアルミニウム製外装パネルの取り外し方法をご紹介する。ポイントとなるのが、プラスチック製でダストフィルターを兼ねたボトムカバーだ。
背面からボトムカバーを見ると、左手に施錠をあらわすマークが描かれている。これはロック機構を兼ねている事を意味し、ボトムカバーを後方へ引き出すとアルミニウム製外装パネルのロックが解除され、ツールフリーで取り外しができる仕組みだ。
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アルミニウム製外装パネルを外した状態。出荷時はアクセサリーBOXがワイヤーで括り付けられていた
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前作の両サイドパネルは独立タイプだったが、Era 2では外装カバー全体が上方向に引き抜く格好となり、組み込み作業およびメンテナンスがしやすくなっている。このスタイルが実現できるのは小型筐体ならではだろう。
外装パネルをスッポリ外すと、シャーシ全体が露わになる。まず感じるのは前作とはかなり異なり、ほぼ骨組みだけで構成されている事が分かる。内部構造を大きく変えたEra 2は刷新されたフレーム設計がキモとなり、主に冷却性能が強化されている事が徐々に明らかになってくる。
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Era 2の左側面
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Era 2の右側面
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可動式マザボードトレイ(Movable Spine Configuration)
内部構造で最も特徴的なのは、
Movable Spine Configurationと名付けられた、
可動式マザボードトレイだ。2023年6月に検証を行ったMini-ITX専用ケース
「Terra」で採用された独自機構は、ネジ留めされたマザーボードトレイが内部構成により3パターンから選択・移動ができる。

ポジションの変更方法は前後各2箇所(計4本)のネジを外し、1~3の番号が振られた3箇所のネジ穴に合わせてマザーボードトレイを移動。CPUクーラーやグラフィックスカードの有効スペースを、組み込むPCパーツの構成により調整ができる。
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四角で囲んだ部分がマザーボードトレイを固定するネジ穴。それぞれ3つのポジションから選択できる
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なお可動式マザーボードトレイは"互いの空間を取り合う関係”にもあるため、事前に詳細な数値を把握しておく必要があるだろう。Era 2のマニュアルはFractalの製品サイトからダウンロードが可能で、P.18をはじめ、P.51~P.54に詳細な数値が記されている。
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マザーボードトレイというよりも、フレームに設けられたマザーボード搭載スペース。四隅にはスタンドオフが装着されていた
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