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ズバリ、良い電源の選び方のコツを教えてください。
一番はSeasonicの電源ユニットを使うことです(笑)。まぁ(半分はホンネですが)それはさて置き、SeasonicのWEBサイトには、ユーザーのシステムが必要としている電力を計算するページがあります。そこで出た数値を目安に、余裕を持った容量の電源ユニットを選ぶことをオススメします。必要な電力が600Wならば、実際に搭載する電源ユニットは850Wや1,000Wを選ぶといった具合ですね。電力変換効率からみても50%程度の負荷で使用するのが安定性も高いですし、製品寿命にも良い影響を与えます。
ちなみに、Seasonicの電源ユニットは、表記されているスペックよりもさらに余裕を持たせた作りにしていますので、そのあたりも安定性に優れた電源ユニットとして評価されている理由だと思います。
日本では蟹に例える人もいるのですが、電源ユニットにはビックリするくらい軽いものから、重いものまであります。良し悪しは重さでわかるものですか?
昔はそうだったかもしれません(笑)。外装パーツやヒートシンクの種類で多少は変わる可能性があります。ただし、Active PFCが登場してからは、重量と性能の関係はないと思います。最終的にはしっかりとしたブランドの電源ユニットを買うのが正解です。
フルモジュラーとセミモジュラーで品質の違いはありますか。
ありません。コストの違いはありますが、品質に影響はありません。
セミファンレス機能がありますが、ファンは常時回転していたほうがいいのではないでしょうか。
低負荷時であれば、ファンレスでも全く問題ない作りになっています。現在のPCは、WEB閲覧や動画視聴など日常的な作業では低負荷のシーンが多く、グラフィックスカードのファンも停止している場合が多いですね。その際に電源ユニットのファンが常時回転すると、ユーザーは電源が原因でうるさく感じてしまいます。そのためセミファンレス機能を搭載しました。ただ、採用当初は「買ったばかりの電源ユニットのファンが回転しない、故障している!」というRMAが増えてしまったんですよ。そこで、セミファンレス機能のON/OFFができるボタンを実装しました。
| 「FOCUS-GX-750」の背面イメージ。AC電源口や主電源のロッカースイッチに並んで、ファンレス機能の切り替えスイッチが搭載されている |
昔に比べて製品保証が年々伸びています。今では12年保証の電源ユニットもありますが、そんなに長く使えますか。
もちろん12年使っても大丈夫ですし、仮に壊れた場合でも保証期間内であれば同等品(生産終了品については同グレード品)と交換します。ただし、これは電源ユニット市場の問題も大いにあると思います。ライバルメーカーが8年ならうちは10年、それなら12年というようにマーケティング的な観点から長期の延長保証を謳っているという面は否定しません。メモリの永久保証に近いものがありますね。ユーザーも購入の際に一つの目安にしているため、長期保証を提供する製品が増えているのでしょう。
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| 新製品のATX 3.1およびPCI Express 5.1に対応する80PLUS GOLD認証取得の電源ユニット「FOCUS V4 GX」シリーズは10年間のメーカー保証が提供される |
電源ユニットの適切な交換タイミングはありますか。
システム全体を交換する場合は、電源ユニットも合わせて交換してほしいです。SSDやHDDなどストレージ増設やCPU交換程度であれば、使い続けても問題ないでしょう。ただし、新型のGeForceを新たに購入するといった場合には注意が必要です。
GeForce RTX 40シリーズで必要となった12+4pinの12VHPWRコネクタの登場は、電源メーカーにとっても大きな出来事だったと思います。当時の状況を教えてください。
一方的に規格を押し付けるという事はなく、まずNVIDIAから開発段階で打診がありました。その後、NVIDIAとPCI-SIG(PCI Special Interest Group)が協議を行い、主要電源メーカーに具体的な話がありました。その際に聞かれたのは、仕様とコストに問題ないかということです。
Kevinさんの第一印象は?
ユーザーのみなさんが買い換える必要があるため、ビジネスチャンスだと思いました。
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当初、一部のコミュニティでは発火するなど問題も取り沙汰されていました。
その点についても、原因が差し込みの甘さに起因する問題であるなど、NVIDIAからは詳細なフィードバックがありました。現在は信頼性が向上した12V-2×6コネクタを新たに導入することで、安心して使用できる環境が整いつつあります。具体的には電力ピン側は1.25mmに長くし、センサーピンは0.25mm短くすることで、ケーブルの挿しこみ不良を起因とする出火のリスクを防いでいます。そのほか、コネクタの直後にケーブルを束ねる場合には一定の距離を空けるなど仕様が変更されています。
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| 12V-2x6はH++、12VHPWRのH+と表記される。コネクタの横に小さく刻印があり目視で判断できる |