Kevin Hu氏
一番はSeasonicの電源ユニットを使うことです(笑)。まぁ(半分はホンネですが)それはさて置き、SeasonicのWEBサイトには、ユーザーのシステムが必要としている電力を計算するページがあります。そこで出た数値を目安に、余裕を持った容量の電源ユニットを選ぶことをオススメします。必要な電力が600Wならば、実際に搭載する電源ユニットは850Wや1,000Wを選ぶといった具合ですね。電力変換効率からみても50%程度の負荷で使用するのが安定性も高いですし、製品寿命にも良い影響を与えます。
ちなみに、Seasonicの電源ユニットは、表記されているスペックよりもさらに余裕を持たせた作りにしていますので、そのあたりも安定性に優れた電源ユニットとして評価されている理由だと思います。
Kevin Hu氏
昔はそうだったかもしれません(笑)。外装パーツやヒートシンクの種類で多少は変わる可能性があります。ただし、Active PFCが登場してからは、重量と性能の関係はないと思います。最終的にはしっかりとしたブランドの電源ユニットを買うのが正解です。
編集部
フルモジュラーとセミモジュラーで品質の違いはありますか。
Kevin Hu氏
ありません。コストの違いはありますが、品質に影響はありません。
編集部
セミファンレス機能がありますが、ファンは常時回転していたほうがいいのではないでしょうか。
Kevin Hu氏
低負荷時であれば、ファンレスでも全く問題ない作りになっています。現在のPCは、WEB閲覧や動画視聴など日常的な作業では低負荷のシーンが多く、グラフィックスカードのファンも停止している場合が多いですね。その際に電源ユニットのファンが常時回転すると、ユーザーは電源が原因でうるさく感じてしまいます。そのためセミファンレス機能を搭載しました。ただ、採用当初は「買ったばかりの電源ユニットのファンが回転しない、故障している!」というRMAが増えてしまったんですよ。そこで、セミファンレス機能のON/OFFができるボタンを実装しました。
Kevin Hu氏
もちろん12年使っても大丈夫ですし、仮に壊れた場合でも保証期間内であれば同等品(生産終了品については同グレード品)と交換します。ただし、これは電源ユニット市場の問題も大いにあると思います。ライバルメーカーが8年ならうちは10年、それなら12年というようにマーケティング的な観点から長期の延長保証を謳っているという面は否定しません。メモリの永久保証に近いものがありますね。ユーザーも購入の際に一つの目安にしているため、長期保証を提供する製品が増えているのでしょう。
Kevin Hu氏
一方的に規格を押し付けるという事はなく、まずNVIDIAから開発段階で打診がありました。その後、NVIDIAとPCI-SIG(PCI Special Interest Group)が協議を行い、主要電源メーカーに具体的な話がありました。その際に聞かれたのは、仕様とコストに問題ないかということです。
編集部
Kevinさんの第一印象は?
Kevin Hu氏
ユーザーのみなさんが買い換える必要があるため、ビジネスチャンスだと思いました。
編集部
当初、一部のコミュニティでは発火するなど問題も取り沙汰されていました。
Kevin Hu氏
その点についても、原因が差し込みの甘さに起因する問題であるなど、NVIDIAからは詳細なフィードバックがありました。現在は信頼性が向上した12V-2×6コネクタを新たに導入することで、安心して使用できる環境が整いつつあります。具体的には電力ピン側は1.25mmに長くし、センサーピンは0.25mm短くすることで、ケーブルの挿しこみ不良を起因とする出火のリスクを防いでいます。そのほか、コネクタの直後にケーブルを束ねる場合には一定の距離を空けるなど仕様が変更されています。