第1世代「NF-A12x25 PWM」と第2世代「NF-A12x25 G2 PWM」を比較する
本稿では「NF-A12x25 G2 PWM」がG2(Generation 2)と謳っていることから、先代の「NF-A12x25 PWM」をなかば勝手にG1(Generation 1)として解説を進めてきた。そして最終セッションでは、標準PWMモデルを引き合いに、両者の違いをスペック表と実機の外観から見比べていく。
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第1世代「NF-A12x25 PWM」(左)と第2世代「NF-A12x25 G2 PWM」(右)
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標準の回転数は第2世代の1,800rpmに対し、第1世代は2,000rpmと200rpm多い。その数値からは第1世代が性能面で有利なはずだが、実際には風量で+6.2㎥/h、騒音値で-0.1dBA、静圧で+0.79mmH2Oとなり、全て第2世代が上回っている。
これほどまでに違いが出るのはなぜか。実際に両者を見比べて異なる部分を見つけ出してみよう。なお画像左が第1世代「NF-A12x25 PWM」、右が第2世代「NF-A12x25 G2 PWM」だ。
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第2世代では中央から風車状に伸びるスポークが薄くなり、風量低下を軽減させていることが分かる
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モーター・回路部の径が小さくなり、遠心タービュレーターハブ(Centrifugal Turbulator hub)の外装にスリットを設けることで、ブレードへ向けて空気を押し出すエアフローに最適化されている
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2つの冷却ファンを並べた場合、最も分かりやすい見分け方はモーター・回路部のラベルだが、それ以外でもブレード形状を変更。アールの強いものに置き換えられた。また中央の小軸化とスリットも外観上の特徴と言えよう。
またNoctuaの技術の高さを証明した、ブレード先端とフレーム内側のすき間を0.5mmにすることで、すき間からの空気の漏れを極限まで減少させている。
資料に見る性能比較
初代の登場からおよそ7年を経て、「NF-A12x25 G2」は第2世代へと進化を遂げた。Noctuaらしく、徹底した開発姿勢のもと、事実に裏打ちされた数々の説得力を備えた最新モデルへとアップグレードされている。もっとも、そうした技術は時に難解で、私たちユーザーにとって、それが本当に最良かどうかを判断するのは簡単ではない。だからこそ今は、Noctuaが示す理論や、公開された検証結果に頼るしかない。

次に示す5種類のグラフは、すべてNoctuaの公式サイトに掲載されているものだ。2018年に登場した第1世代「NF-A12x25」をベンチマークとし、第2世代へ移行した新モデルの優位性を示している。

なお細部についても解説は、製品ごとのサイトに詳しく解説が掲載されている。それらは2024年11月にお届けした
「NF-A14x25 G2」レビューの中で、2ページにわたり詳細を解説している。今回は割愛するが、ベースとなる部分は第2世代140mmファンからの継承だけに、是非ご一読いただければと思う。