360mmサイズラジエーターをセパレートにすることで冷却性能が向上
DeepCool(本社:中国)のブースで今世界中の注目を集めている新製品が、ミドルタワーPCケース「CL6600」だ。COMPUTEX開催前に公開された
ティーザー記事では、その外観から上位モデルに位置付けられる「GENOME III」以上の注目を集め、詳細な情報を待ち望んでいた読者も多いだろう。そしてついに、その全貌が明らかになった。

何はさておき、最も注目すべきポイントは、トップパネル上部に設けられたセパレートタイプのユニットの存在だ。ここには言うまでもなく、オールインワン型水冷ユニットの360mmサイズラジエーターが収められている。「HyperSplit構造」と呼ばれるこのスタイルは、従来のようにPCケース内部で他の構成パーツと同居させる方式に比べて、ハイエンドCPUによる性能テストでは約2〜3℃低い温度で動作する結果が得られたという。

現在では一部の例外を除き、ほとんどのPCケースがラジエーターを内部に設置する設計だ。しかし、冷却性能の差が使用環境に大きく依存することが明らかであれば、今後、自作PCにおける冷却の常識が大きく変わり、新たな方向へと進化していく可能性もゼロではない。そんな試金石とも言えるのが「CL6600」かもしれない。

専用設計によってマウントされたラジエーターだけに、内部へ配管されるウォーターチューブの長さも最適化されている。チューブが最短距離で接続されていることが、冷却性能の向上に寄与している要因のひとつかもしれない。
さらに、ビルトインタイプならではの“見映えの良さ”も、魅せるPCを構築するうえで大きな魅力となるだろう。加えて、背面コネクタ対応のマザーボードをサポートしている点も、高く評価できるポイントだ。

その他、判明しているのは最大8基の冷却ファンが増設可能。前方上部にはヘッドホンハンガーも用意されている。ボディカラーはブラックとホワイトの2色展開。現時点の想定売価は200ドル前後とされ、正式デビューは今年の夏頃と言われている。
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360mmサイズラジエーターのカバーは背面からハンドスクリューでネジ留めされている
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ここをプッシュするとヘッドホンハンガーが出てくる仕組み
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