10月以降に始まったメモリ価格の上昇が、12月に入り本格的に影響を拡大している。秋葉原の各ショップではPCを求める買い物客の来店が急増しており、「今年一番の売り上げを記録した」(大手ショップ関係者)といった声も聞かれるなど、例年にない賑わいを見せている。
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まずは、急騰しているDDR5メモリの価格推移を簡単に振り返っておこう。メーカーや代理店、ショップ関係者の間で「DDR5メモリが値上がりする」と言われ始めたのは9月中旬から10月上旬。この時点では、定番人気の某ブランド製DDR5-5600 16GB×2枚セットは、およそ14,000円前後で販売されていた。
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その後、11月1日には一部ショップで購入制限が始まり、価格は約32,700円前後まで上昇。急激な値上がりを受け、パーツショップでは比較的割安感のある即納PCの購入を勧める動きが見られるなど、まだ一定の余裕がある状況だった。
(2025.11.02 更新)
事態が一気に緊迫したのは、Micron Technologyのコンシューマ向けブランド「Crucial」が製品展開を終了するとアナウンスして以降だ。購入制限はさらに厳格化され、主要BTOメーカーもメモリ高騰を理由にPC購入の前倒しをアピール。さらに、PC系メディアにとどまらず、ネットニュースやテレビ、新聞などでメモリ価格高騰が取り上げられるようになると、買い物客が一気に店舗へ押し寄せる事態となった。
(2025.12.05 更新)
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この状況は先週末から顕著となり、現在も続いている。ショップ関係者は「平日でも週末並みの来店数と売り上げです。モンハン需要でゲーミングPCが飛ぶように売れた時期を上回る勢いで、ここ1年で一番売れています」と話す。なお、前述の某ブランド製DDR5-5600 16GB×2枚セットは、取材日の12月20日時点で約70,000円まで値上がりしており、わずか2カ月で約56,000円もの上昇となった。
某パーツショップの店長は、「見積もりを提示すると想定以上に高く、少し検討したいと言われるケースが増えています。決して煽るつもりはありませんが、『検討している数日の間に、さらに数万円上がる可能性があります』とはお伝えしています」と語る。また、メモリ価格の高騰の影に隠れがちだが、SSDやHDDも値上がり傾向にあり、「PCを購入するなら年末年始セールがラストチャンス」と話す店員もいた。
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中古市場も例外ではなく、「本体PCは陳列する暇がないほど、次々と売れていく」という状況が続いており、平日から多くの客で賑わっている。
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複数のメモリ業界関係者によると、「現在は高価格でも購入する客が多いが、来年になるとそもそもDDR5メモリが不足する可能性がある。結果として、8GB×1枚や16GB×1枚といった構成のPCが増えるだろう。ゲームによってはパフォーマンスが20~30%低下する可能性があるが、すでに大手メーカーでは8GB×1枚や16GB×1枚構成での検証を始めていると聞いている」という。