最後は「XG17AHPE」に内蔵されている、7,800mAhのバッテリーの実際の駆動時間を計測する。テストは先ほど同様に「ROG Zephyrus G14 GA401IV」のUSB3.1 Type-Cから、USB-C to USB-Cケーブルで接続し、OSDメニューの「Power」項目からUSB-C to USB-C接続時の電力供給を無効とし、「ファイナルファンタジーXIV:漆黒のヴィランズ ベンチマーク」をループさせている。リフレッシュレートによって駆動時間の変化があると予想されるため、240Hzと60Hzでそれぞれ計測。なお、「XG17AHPE」のスピーカー出力はON、「ROG Zephyrus G14 GA401IV」のシステムサウンドをミュートとしている。
バッテリー駆動時間は、リフレッシュレート240Hz時はメーカー公称値に近い3時間37分、60Hz時で5時間23分という結果になり、どちらもバッテリー残量が1%以下となりディスプレイの電源がOFFとなった。7,800mAhの大容量バッテリーは、電源が確保できない環境下でも長時間の駆動が可能だ。ただし、OSD上からはリフレッシュレートを固定することができないため、現状では一部のデバイスやコンシューマゲーム機で自動的に240Hzとなってしまうだろう。
仕事も遊びも妥協しない、ポータブルゲーミング液晶
今回検証で使用したように、ゲーミングノートPCとの相性は抜群に良い。DX11世代の比較的レガシーなタイトルであれば高FPSが維持できるというユーザーにとっては、現状のゲーミングノートPCをそのままに液晶部分だけをアップグレードすることができる。日常的なタスクをこなす際は、リッチなセカンドディスプレイに早変わりだ。USB Type-C(DP alt mode)に対応するノートPCであれば、USB-C to USB-Cケーブル1本を接続するだけで完結するシンプルなシステムも嬉しい。
純粋に高リフレッシュレート環境が必要なら、24型等の据え置きタイプのゲーミング液晶を買った方が良いという意見もあるかもしれないが、「XG17AHPE」は重量1.06kg、厚さ約10mmのポータブル液晶だ。例えば宿泊を伴うちょっとした遠出の際にも、リッチな環境でゲームを楽しみたいという、欲張りなゲーマーのニーズに応えてくれる。シーンを問わずあらゆる場所で使えることが最大のメリットだろう。
価格はお世辞にも安いとは言えないが、他の製品と比較しようとしてもここまでゲーミング性能の高い製品はない。現在流通するポータブル液晶カテゴリにおいてオンリーワンの存在。特にゲーミング用途においては納得のハイスペックである。一般的になりつつあるテレワークや通常の作業用途としては、明らかにオーバースペックであるものの、仕事も遊びも妥協せず、万能かつ持ち運びができるポータブルな液晶となれば「XG17AHPE」へと自然にたどり着くだろう。