|
|
Intel「Core i9-12900K」 実勢売価税込75,000円前後(2022年1月現在)
製品情報(Intel)
|
長時間ブースト状態を維持できる「Maximum Turbo Power」
x86系のCPUでは初の
「ハイブリッド・アーキテクチャ」の採用や、IPCの改善もあり、先代から大幅なパフォーマンスアップを遂げた第12世代Intel Coreプロセッサ。特に最上位である
Core i9-12900Kは、パフォーマンスを重視した「Pコア」が8コア(16スレッド)、効率を重視した「Eコア」が8コア(8スレッド)という構成で、IntelのメインストリームCPUとしては最高となる16コアを達成。ライバルであるRyzenシリーズに追いつく事ができた。
|
|
スレッド数は「Eコア」の8スレッド分少ないものの、コア数はRyzen 5000シリーズの最上位であるRyzen 9 5950Xと同等の16コアに達した
|
また熱設計の電力制御指標も刷新され、これまでのTDPから、ベースとなる消費電力
「Processor Base Power」と、ブースト機能によって最大パフォーマンスを発揮した際の消費電力である
「Maximum Turbo Power」の2種類へと変更されている。
さらに「Maximum Turbo Power」では、これまで瞬間的にしか許容されていなかった「PL2」と異なり、冷却性能や電源回路の出力に問題がない限り、この状態が維持できるよう設計されている。つまり第12世代Intel Coreプロセッサでは、PL1とPL2がイコールで、パフォーマンスの最大状態を維持したまま、長時間動作できるようになったワケだ。
ちなみに「Maximum Turbo Power」は、「Processor Base Power」が同じ125Wの「K」シリーズでもモデルによって異なり、最上位のCore i9-12900Kでは「Processor Base Power」の2倍近い241Wに設定されている。これは当然ながらスレッド数で上回るライバルのRyzen 9 5950Xをマルチスレッド性能でも上回るための措置だろう。
実際に「CINEBENCH R23」のマルチコアテストのスコアを確認するとCore i9-12900Kが27,000ptsを超えるのに対して、Ryzen 9 5950Xは25,000pts台にとどまる。一方、「Package Power」はCore i9-12900Kでは最高約240Wまで上昇するが、Ryzen 9 5950Xでは130W以下を常に維持しており、Ryzen 9 5950Xより発熱が多いCPUであることは間違いない。
一方で、「Adaptive Boost」機能が実装された第11世代 Intel Coreプロセッサの最上位、Core i9-11900Kより「Package Power」は15W前後低く、先代に比べるとパフォーマンスだけでなく、電力効率の面でも改良されていることがおわかりいただけるだろう。