Fractal Design「Torrent Nano」内部構造チェック
外装周りを見ていくうちに、大部分で歴代Torrentを踏襲している事が分かってきた。そして内部構造をくまなくチェックする事で、より理解が深まるだろう。シームレスでフラットな両サイドパネルを取り外し、要所をじっくりと解説していく。
Mini-ITX/DTX対応のマザーボードトレイ
まずは左側面から内部を覗き、マザーボードトレイをチェックした。対応フォームファクタはMini-ITXに加えMini-DTXで、最大170mm x 203mmの基板が収められるよう、縦長にスペースが確保されている。また四隅にはスタンドオフが予め装着された状態で出荷される。
冷却ファンレイアウト1:フロントファン
- 冷却ファン:180mm x1基/140/120mm x2基(180mm x1基「Prisma AL-18 ARGB PWM」標準)
- ラジエター:240/140/120mmサイズ
次に冷却ファンレイアウトを見ていこう。Torrentシリーズのテーマは高エアフロー。筐体内部どこをとっても無風エリアを作らない設計は、静音一辺倒ではない自作派から高い支持を得た。だからこそ派生形のCompactやNanoが存在しており、小さいからといって妥協しない設計思想はきちんとNanoにも受け継がれている。その象徴がシャーシ側フロントパネルに装着されている180mmファンだろう。

出荷時より搭載されているのは
「Prisma AL-18 ARGB PWM」で、ホワイト色の7枚ブレードと、ブラック色のフレームで構成。前面からフレッシュな外気を筐体内部に取り込み、約400mm後方の位置にあるリアパネルから外部へ一気に風を排出させる。常時大風量を直線的に流すエアフローレイアウトはサーバー機を思い起こさせ、Torrent設計者はそこに着想を得たのかもしれない。

38mm厚のPrisma AL-18 ARGB PWMは、アドレサブルRGBを内蔵し、ドレスアップにも一役。軸受けはスリーブベアリングのHigh-grade LLSで、回転数300~1,200rpm、騒音値14.9~37.4dBA。そして風量は43.1~146.8CFMとさすがに強力で、静圧も0.44~2.50mmH2Oとされる。なおPrisma AL-18 ARGB PWMから伸びるケーブルは長く、4pin PWMコネクタケーブルが600mm、RGBコネクタ(3pin)が600mm+350mm(分岐)だった。
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Prisma AL-18 ARGB PWM・・・180x180x38mmサイズの標準装備ファン。半透明ブレードと外周のリングにより均一で美しい発光が特徴。別売のRGBコントローラー「Adjust R1」に対応するほか、各マザーボードのLEDコントロールソフトウェアに対応する
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そして付属の
「フロントファンブラケット」を使うことで、140mmまたは120mmファン2基に換装が可能。180mmファンを取り外すとTorrent Nanoの基幹コンセプトはやや崩れるものの、好みの冷却ファンが使える点はメリットであり、なによりラジエターが搭載できるようになる。
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標準180mmファンは上下のブラケットにより固定。換装にはこれを取り外し、付属のFront 120/140 Fan Bracketsに付け替える
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