電源ユニットを搭載してみる
プラスチック製トップカバーを外したシャーシ上部に、ATX規格の電源ユニットを搭載してみよう。搭載テストには以前詳細検証を行った
Fractal Design「Ion+ 2 Platinum 860W」(型番:FD-P-IA2P-860)を用意。奥行き150mmに収めたフルモジュラー式の80PLUS PLATINUM電源ユニットで、前回のTorrent Compact、前々回のTorrent検証時でも使用した同モデルだ。
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固定は背面からインチネジ4本でネジ留め。モジュラーコネクタが露出できているため、必要なケーブルを目視しながら抜き挿しできる
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Torrentシリーズ共通の設計は、トップ部が開放状態により簡単にモジュラー式ケーブルの抜き挿しができる。増設やメンテナンスが容易にできる点は大いにメリットだろう。現在主流のボトムカバーに収めるスタイルに比べ、電源ユニット周りの扱いは格段にしやすい。なおTorrent Nanoでも電源ユニット本体をネジ留めする前に、ATX12V電源ケーブルを"専用スルーホール”に通しておく必要がある。設計にちなんだTorrent独特のルールで、唯一の抜け穴であるスルーホールは、電源ユニットを固定するとどうしてもアクセスできない。さらにレイアウト上、マザーボードのATX12Vコネクタと電源ユニット本体が接近している事も手伝って、回避の術がなかったようだ。
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ATX12V電源ケーブルは電源ユニット固定までに接続しておくこと必須だ
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高さ86mmのATX規格電源ユニットは、シャーシより若干背が高くなる程度で収まる
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なお奥行き150mmの電源ユニットを固定すると、設置面のフラットな部分は約60mm、傾斜の頂天までは約120mmの距離を確保。この三角地帯を使い、余った電源ケーブルをロゴ入り面ファスナーで束ねておく事ができる。ただし上部は2.5/3.5インチドライブトレイがフタのように覆いかぶさるため、見た目ほど余裕のある空間ではない。とは言え、つい先日検証したTorrent Compactもずいぶんとタイトだった。つまりTorrent Nanoが極端に小さいのではなく、Torrentシリーズの設計に起因する構造的なものという解釈が正しそうだ。
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2.5/3.5インチドライブトレイをデフォルト位置で固定すると、モジュラーコネクタと急接近する事になる。コネクタ自体にストレスが掛かるほどではないが、ずいぶんとタイトである事が分かるだろう
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グラフィックスカードを搭載してみる
グラフィックスカードの有効スペースは、フロント部に180mmファンを搭載した状態で最大335mm。比較的長尺物が搭載できるが、あいにく編集部所有の3000番台はどれもヘビー級なので、今回は
MSI「GeForce RTX 2060 GAMING Z6G」をチョイスした。トルクスファン3.0がデュアル搭載のTWIN FROZR 7クーラーが装着され、長さは247mm、厚さは52mm、幅は129mmとされる。
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2スロットを占有するMSI「GeForce RTX 2060 GAMING Z6G」の場合、底面までのクリアランスは実測で約15mm。この間隔ではラジエターや冷却ファンの増設はまったく現実的ではない
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組み込みに関しては解説するまでもなく、拡張スロット金具を2つ外したところにハンドスクリューでネジ留めを行う。フレームの無いブリッジレス仕様は作業がしやすく、微調整不要で固定ができた。なお搭載後のクリアランスは、フロントパネルまで約90mmを残している。
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底面の防塵フィルタを外した状態。グラフィックスカードの位置関係やVGAクーラーの様子がよく分かる
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GPUサポートブラケットはマザーボードトレイ背面にあるスリットに固定。スリットは179mmと275mmのポイント2箇所にあり、グラフィックスカードの長さにより選択できる
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