Z10 PLUSの冷却ファン&ラジエターレイアウト
ここまでの検証から、Z10 PLUSは高エアフロー志向のPCケースである事は間違いない。ではその真髄を深掘りすべく、最大120mmファン11基が搭載できるエアフロー&ラジエーターレイアウトを確認していこう。
冷却ファンレイアウト(1):フロントファン
- 冷却ファン:120/140mm x3基(140mm x3 ARGBファン標準)
- ラジエター:120/140/240/280/360mmサイズ
フロントパネルを外し、シャーシ固定の標準搭載ファンをチェックする。ホワイトインペラで中央にZマークをあしらった3基の140mm(25mm厚)ファンは、アドレサブルRGB(ARGB)対応のLEDファンだ。スペックは回転数900rpm±10%で、軸受けにはハイドロベアリングを採用。コネクタケーブルは4pinペリフェラルとARGB LED 3pinの2本が接続されている。ここが高エアフロー志向の要となり、追加投資不要でハイエンド構成にも対応する冷却性能が確保されている。

さらに120mmファン3基への換装にも対応するスリットタイプのネジ穴を用意。ラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズをサポートし、高い汎用性はイマドキPCケースらしい設計と言える。
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標準140mmファンはシャーシ面の外側にテーパーネジで固定されていた
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冷却ファンレイアウト(2):トップファン
- 冷却ファン:120mm x3基または140mm x2基
- ラジエター:120/140/240/280/360mmサイズ
マグネットダストフィルターを外すと、そこはハニカム状の通気孔。両サイドにはスリットタイプのネジ穴が確認できる。トップパネル部はオプションながら、120mmファン3基または140mmファン2基が増設可能。ラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズの搭載に対応する。フロント部に140mmファン3基を標準装備するだけに換装は考えにくく、ラジエーターを搭載するなら、おのずとトップパネルになるだろう。
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スリットタイプのネジ穴は合計4本。いずれも40mmのストロークで、冷却ファンまたはラジエーターの設置ポジションが調整できる
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冷却ファンレイアウト(3):リアファン
- 冷却ファン:120mm x1基(ARGBファン標準)
- ラジエター:120mmサイズ
リアには120mm(25mm厚) ARGBファンを1基標準装備。スペックは、回転数1,100rpm±10%で、軸受けにはハイドロベアリングを採用。コネクタケーブルはフロント140mmファン同様の4pinペリフェラルで、ARGB 3pinケーブルも接続する事になる。念のために付け加えると、エアフロー方向は外排気。CPUソケットおよびマザーボードの電源周りにから発生する熱を、常時外部へ排出する役割を果たしている。また120mmサイズラジエーターへの換装も可能。最もベーシックなオールインワン型水冷ユニットは、リアに搭載する事になる。
冷却ファンレイアウト(4):サイドファン
右側サイドパネルの前方縦列に装備される通気孔。これに正対する格好で、マザーボードトレイ右側エリアには120mmファン2基が増設できる。ラジエーターの搭載は想定されておらず、あくまで前方付近の排熱処理を助ける役割が妥当だろう。
冷却ファンレイアウト(5):ボトムファン
ボトムカバー(シュラウド)の天板はハニカム状の通気孔。ここにも120mmファンが2基増設できる。空きスペースは余すところなく活用しようという設計思想からサイドファン同様、積極的にフル装備というよりも、必要であれば増設できるといった意味合いだろう。エアフロー方向としては、真上に位置するグラフィックスカードへの吹きつけか。なお一般的な25mm厚ファンを増設すると、最下段の拡張スロットは完全に塞がれてしまう。
標準装備のARGBコントローラー基板
マザーボードトレイ背面には、幅50mm、高さ30mmの黒い基板がネジ留めされ、予めケーブルが接続されている。これは「ARGBコントローラー基板」で、パーツ名で想像できる通りARGBのコントロールを一括で行うための集中制御基板だ。ここに接続したARGBコネクタ機器は、トップパネル部に装備されたLED切り替えスイッチにより、発光パターンとカラーが変更できるようになる。セレクトできるのはパターンとカラーの組み合わせで26通り。なおLED切り替えスイッチは6秒長押しでLEDの消灯もセレクトできる。