担当者に聞いた「arkhive Gaming Limited GL-A7G38R」誕生まで
ゲーミングPCのイメージが強いarkhiveだが、何故クリエイターPCを発売する事になったのだろうか。株式会社アークのPC開発事業部BTOプロダクトマネージャーである
早田氏に「CL-A7G37R」誕生までのプロセスやこだわりのポイントについて聞いた。
- 編集部
「CL-A7G37R」開発のキッカケを教えてください。
- 早田氏
ここ数年、お客様から多かった質問に「ゲームを配信したり、ゲームを録画して友人と共有したいがどのようなスペックのPCを用意していいかわからない」というものがありました。また「Discordの品質を落とさず快適に利用したい」という声も結構聞かれました。そうした事情があり、配信者やコンテンツ制作も満足できる、クリエイター向けのPCを作ろうと考えたことが始まりです。
|
株式会社アークPC開発事業部BTOプロダクトマネージャーの早田氏。ショップでの店員歴も10年以上あるベテランでパーツの知識も豊富だ
|
- 編集部
配信者やコンテンツ制作者向けPCとは具体的にどのようなものでしょうか。
- 早田氏
配信環境をもつ当店のスタッフやお客様の話をまとめると、カメラが2台、USBマイク、オーディオデバイス、キャプチャユニット、照明、さらに「Elgato Stream Deck」「AVerMedia Live Streamer NEXUS」といった配信者向けキーデバイスなどが必要ということが分かりました。そして、それらデバイスの多くがUSBポートを利用します。
ここにキーボードやマウス、ヘッドセットといった通常環境でも使用するデバイスも含めるとUSBポートの数が圧倒的に足りなくなる。そこでハブの追加を検討する方が多いと思うのですが、そうなると今度は接続デバイスとの相性問題が発生しやすくなります。特に配信中のトラブルは致命的ですから、極力避けたいというニーズは以前からありました。「CL-A7G37R」はそれらの問題を解決してくれるPCということになります。
|
|
店内で展示している配信環境を揃えたデモ機。「具体的にどのような機材やスペックが必要なのか」店頭での質問も多いため昨年より設置しているという
|
- 編集部
ストリーマー向けマザーボードとして登場したASRock「LiveMixer」シリーズを採用していますね。
- 早田氏
はい。タイミング的にはちょうど良かったのですが、そんな時に登場したのがASRock「LiveMixer」シリーズでした。長時間の配信に耐えられる電源周りの設計はもちろん、USBポートが多いのも魅力です。一般的なマザーボードではバックパネルのUSBは8~10ポートですが、このマザーボードには14ポートも用意されていますからね。さらにフロントピンヘッダも含めれば最大23ポートまで利用することができます。
- 編集部
キャプチャーデバイスの相性問題をクリアしているというのは「LiveMixer」シリーズのポイントに挙げる店員さんも多いですね。
- 早田氏
そうなんです。AVerMediaやElgatoといったメジャーブランドから発売済みのUSBビデオキャプチャーデバイスが、ASRock独自検証による動作確認が取れているのは重要です。またクリエイター向けながら価格を抑えているため、BTOでも採用しやすい。そんなASRockの設計思想に共感して採用したのが「LiveMixer」シリーズです。
- 編集部
PCケースにもこだわりがあったと聞いています。
- 早田氏
「LiveMixer」シリーズの採用が決まった後に悩んだのが、PCケース選びでした。当初は使用シーンから想定した静音性を重視したケースも検討したのですが、やはりしっかり冷却できてシステムが安定動作することを優先。さらにデザインにもこだわった結果、Fractal Design「Pop Air RGB Orange Core TG Clear Tint」を採用する事にしました。カラーはもちろん、マザーボードに合わせたオレンジをチョイス。もともと当店では取り扱っていなかったカラーなのですが、代理店アスクの協力により特別に手配してもらうことができました。結果的には大正解。試しに自分で組み上げた後に思わず「これ、良いじゃないか!」と言ってましたね(笑)。