次はAdobeの写真編集アプリ「Adobe Photoshop」と写真現像&整理アプリの「Adobe Lightroom Classic」のパフォーマンスを測る「UL Procyon Photo Editing Benchmark」を実行した。
「Adobe Photoshop」で処理され、GPUの性能も影響する「Image Retouching」は、4,348スコアとまずまずの結果だが、おもにCPUで処理される「Adobe Lightroom Classic」の「Batch Processing」は1,958スコアと低めになっている。テスト項目のひとつで、写真のディテールを強化する「Enhance Details」の処理に時間がかかっており、スコアを下げたようだ。そのほかの編集やプレビューなども、処理に時間を要しているが、ここまでのベンチマークテストと同じく、消費電力を考えれば妥当なところだろう。
Core i7-1360P内蔵GPUのIntel Iris Xe Graphicsの3Dパフォーマンスも軽くみていこう。ベンチマークには「3DMark」の軽量DirectX 12テストプリセット「Night Raid」を実行した。
結果はGraphics scoreで12,945を記録。テスト中のフレームレートは動きのある戦闘シーンで計測されるtest 1で55.59fps、あまり動きのないシーンのtest 2で70.43fpsだった。
最後は定番ベンチマークテストの「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」で確認していこう。解像度は1,920×1,080ドット、グラフィックス品質は”標準品質(デスクトップPC)”で実行している。
スコアは5,013、評価も“普通”止まりだが、CPU内蔵GPUとしてはかなり健闘している。フレームレートも平均33fpsなので、実際に「ファイナルファンタジーXIV」をプレイするのは厳しいところだが、「Night Raid」の結果とあわせて考えると、GPUの負荷が軽いWebゲームなどなら問題なく楽しめるだろう。
テストセッションの最後は、高負荷状態のCPU温度や動作音、システム全体の消費電力といった点をチェックしていこう。まずは高ワークロードが10分間連続実行され、CPUに最も高負荷をかける「CINEBENCH R23」を実行した際のCPU挙動をチェックしていこう。「HWiNFO64 Pro」を使用して、CPU動作クロックの「P-core 0 Clock [MHz]」と「E-core 4 Clock [MHz]」、CPU温度「CPU Package [°C]」をまとめた。
Pコアの動作クロックは瞬間的に2,800MHz台を記録しているが、28W制限下では1,900MHz前後で推移。実コア数の多いEコアは、1,396MHz~1,496MHzでの動作になっている。動作クロックが2GHzを下回っているだけあって、CPU温度は最高でも60℃に抑えられている。
続いて省電力CPUの「P」シリーズが活きてくる動作音と消費電力を確認していこう。「CINEBENCH R23」に加え、CPUとGPU、ストレージといったシステム全体に負荷をかける「UL Procyon Photo Editing Benchmark」を実行した。アイドル時はWindows起動後、10分間何もせずにいた状態としている。
騒音値は「NUCS BOX-1360P/D4」の前面から30cm離れた位置で計測すると、騒音値は作業中でもアイドル時と変わらない36dBA台を記録した。実際、テストを通して動作音はまったく気にならず、環境音が減った深夜に電源を落とすことで初めて、それまであったサーというファンの回転音に気がついたほどだ。
システム全体の消費電力も、「UL Procyon Photo Editing Benchmark」で37.96Wと、28Wをターゲットに設計された「P」シリーズのCore i7-1360P搭載だけある。バッテリ駆動で日々持ち歩いて使うモバイルノートPCやタブレットPCほどではないが、この消費電力で快適なビジネス、スクールワークに、軽い写真の編集などを行える「NUCS BOX-1360P/D4」のワットパフォーマンスは優秀と言えるだろう。
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| ちょっとした隙間に設置できる超小型、薄型の「NUCS BOX-1360P/D4」 |
提供:ASRock Industrial