360mmサイズラジエーターの実際は長さ397mmになるため、左側面開口部から挿入する際は前後斜めの姿勢にしなければ、前後どちらかにぶつかってしまう。さすがにフルタワーPCケースのようには行かないが、搭載ポジションまでインストールすれば、前後に多少の余裕はあった。
あとはEPDM高密度チューブ末端のウォーターブロックをCPUソケットへ固定。画像からもストレスなく設置できている事がお分かり頂けるだろう。
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| 120mmリアファン(25mm厚)がある分、ラジエーターを斜めにした状態でインストールする事になる。ただし設置ポジションでは前後に多少に余裕はできている事がわかった |
(1)はラジエーターと冷却ファンが厚さ50mm以上になるためだが、(2)(3)については、標準装備の160mmファンはシャーシ外側に固定されるため、そもそも拡張カードの有効スペースを占有していない。よって(2)は「冷却ファン(25mm厚想定)をシャーシ内側に固定した場合」が正解だろう。
チェックを続けると、GeForce RTX 4070 Founders Editionを固定した場合、カード末端からフロントパネルまでは実測で約175mmの空きスペースが確保できている。RTX 4070 F/EがほぼATX規格の幅と同じサイズだから、マザーボード搭載後のクリアランス同等の空間が残されているというワケだ。このサイズなら、マザーボード右手のサイドファン増設エリアに240mmサイズラジエーターのマウントもできる。アドレサブルRGBファンを左サイドパネルに正対させての組み込みなど、より魅せるPCの構築には検討の価値アリだろう。
NX416Lをすみずみチェックし終えた今、やはり冒頭にアタリを付けた「長尺ラジエーターの設置スペース」こそ最大のメリットではないだろうか。フロントはせっかくの160mm Antec Custom Fanが搭載されているので事実上は固定状態だが、トップパネルに360mmサイズラジエーターがストレスなく搭載できることで、構築するシステムの幅が格段に広がる。ある意味、NX416Lは普及価格帯モデルながら、ハイエンド志向の自作派への訴求も疎かにしないオールラウンダーなのだ。
AntecのPCケースにおける1軍はPerformanceシリーズだが、それ以外の製品にも見るべきポイントがきちんと用意されている。特徴無きPCケースは作らないのだ。冒頭「ブランド力には頼らない時代への突入」に触れたが、ヒット作を数多く市場に送り込むAntecの底力は認めざるを得ない。
提供:Antec
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