ここからはメモリパフォーマンスをチェックしていこう。まずは「AIDA64」を使用し、メモリ帯域とレイテンシをチェック。さらにベンチマークの「Cache&Memory Benchmark」を実行し、「Memory Read」「Memory Write」「Memory Copy」「Memory Latency」のベンチマークスコアを確認する。
メモリ帯域を確認すると、「Memory Read」「Memory Write」「Memory Copy」いずれも、DDR5-5600からは約8%向上している。ほぼメモリクロック差通りの結果となっている。また、レイテンシも84.5nsから74.6nsに短縮されている。
続いて、総合ベンチマークテスト「Sandra 20/21」でも、メモリ帯域とレイテンシを確認しておこう。ベンチマークは「メモリーの帯域」と「メモリーのレイテンシ」を使用している。
「AIDA64:Cache&Memory Benchmark」と同じく、「メモリーの帯域」は、DDR5-5600から約8%向上している。レイテンシの結果も同様で、DDR5-6000はDDR5-5600から、10ns以上短縮した78.7nsを記録している。
次はレンダリング系ベンチマークを使って確認していこう。まずはCINEBENCH系ベンチマークのCINEBENCH R15/R20/R23の3種類で計測を実施した。
CINEBENCH系は、メモリクロック、タイミングの影響がほとんど出ないベンチマークになる。今回のテストは5,600MHzと、6,000MHzとクロック差が小さいこともあり、「AIDA64」や「Sandra 20/21」で実施したメモリ帯域幅のベンチマークと違って、スコア差は誤差の範疇になっている。
続いて「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray 5.0.2 Benchmark」で、確認していこう。テストPCには、NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti SUPERグラフィクスカードを搭載しているので、CPUを利用する「V-Ray」に加えて、GPUを利用した「V-Ray GPU CUDA」、「V-Ray GPU RTX」を実施した。
「V-Ray」で1%弱、「V-Ray GPU CUDA」で横並び、「V-Ray GPU RTX」で2%弱の向上と、ここまでと同じく誤差レベルと言える。
レンダリング系の最後は、3Dモデリングソフト「Blender」の性能を計測する「Blender Benchmark」の結果を確認していこう。「Blender」のバージョンには、4.0.0を選択、レンダリングはCPUとGPUで実行し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用している。
DDR5-6000 36-38-38として、文句のない結果を出しているが、スコアの傾向はここまでと同じで、CPU、GPUともにDDR5-5600からの向上は、約2%と誤差レベルに収まっている。
圧縮・解凍ソフト「7-Zip」の内蔵ベンチマークの結果をみていこう。CPU向けのベンチマークだが、メモリクロックの差が顕著に現れるテストになっている。
データの圧縮と展開の2種類の処理が実行される「7-Zip」の内蔵ベンチマーク。展開(解凍)時はDDR5-5600が193.182ポイント、DDR5-6000が196.917ポイントと、2%程度の向上に留まっているが、圧縮時はメモリクロック、タイミングの差が影響し、10%近く処理速度が向上している。データの受け渡しなどで、圧縮処理を頻繁に行う場合は、高速なメモリを使用するメリットはあるだろう。