それでは、いよいよ工場内部へ進んでいこう。今回、取材班を案内してくれたのは、同工場で副工場長を務める生産技術エンジニアリング部の陳昭仁(Eric Chen)氏だ。
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| 丁寧な解説で分かりやすく工場を案内してくれた副工場長の陳昭仁(Eric Chen)氏 |
支給された白衣と帽子、シューズカバーを装着して初めに案内されたのが、内部に入る人が絶対に通らなければならないエアシャワールーム。5~6人程が入れる狭いスペースの両側から出る強力な風を30秒ほど全身に浴びることで、工場内にゴミや細菌などを持ち込まないようにする。特に精密なメモリを扱うような場所では、必ず設置してある設備だ。
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| 製品に不純物やゴミが付着するのを防止するため、必ず通らなければならないエアシャワールーム。会話もできないほどの強風が両サイドから吹く |
工場エリアに入ってまず目に飛び込んできたのが、長さ約30mほどの製造ラインだ。そして登場したのが、大量のメモリモジュールがパッケージされた箱。7枚のメモリが1枚のPCBとなっており、それが25枚。メモリモジュールにすると175枚分が1梱包になっていた。
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| 長さ30mほどのラインには常時3~4名が作業していた。基板の実装作業は約10分ほどで完了する |
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| 175枚分が1セットになったPCB。普段は冷蔵保存され、ラインに流す直前に持ち込まれる。余った場合は、しっかりとシュリンクして冷蔵庫で再度保管される | |
こちらの包装を開封し、ラインの先頭部分にセット。さらに、製造するメモリの種類に合わせてセットされたメタルマスクを使い、PCB上にクリーム状のソルダーペーストを塗布して表面実装工程がスタートしていく。
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| こちらメタルマスク。金属板に微細な穴を開けた版で、PCBにハンダペーストを印刷する際に使用される治具。穴にソルダーペーストを塗りこむことで、基板実装箇所に自動的に塗布される仕組み |
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| メモリの種類(実装パターン)毎に多数のメタルマスクが保管されていた |
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| ソルダーペーストは粉末状のはんだ合金と、フラックスと呼ばれるロジンを主成分としたペースト状の樹脂を混合したもの。粘着性があり柔らかめのCPUグリスに似ている |
その後はPCBにソルダーペーストがしっかりと適量が塗られているか機械でチェックされる。問題がなければ次のチップやコンデンサの実装工程へ進む。
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PCB上にメモリチップ以外のパーツ類を実装していく。必要な部材が大量に巻かれているリールをフィーダーと呼ばれる装置にセット。あとは機械が目にも止まらぬ速さで取り付けていく。RGBバージョンのメモリにLEDが実装されるのもここ。ECCメモリなど種類が変わっても、実装パーツを変更するだけで基本的な作業は同じだ。お次は、いよいよメモリチップの搭載セッションへ。
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| 絶え間なく稼働しているため、交換用のリールとフィーダーはすぐ背後にストックされていた。交換は手作業で行う | |
セットしたトレーに載せられたメモリチップが、凄いスピードでPCBへと実装されていく。7枚のメモリモジュールに対して約10秒ほどで全てのメモリチップが実装されていた。これら一連のパーツ類やメモリチップ実装の様子は、しばらく見ていても飽きない、実に面白い光景だった。
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| 高速で実装されていくメモリチップ |
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| ものすごい数のメモリチップが山積みに。1枚のトレーに160個のチップが並んでいた。ちなみに取材時は全てSK hynixのDDR5メモリチップだった |
ここまでで、各部品やメモリチップの実装作業は終了だ。続いてリフロー炉と呼ばれる巨大なオーブンへと入っていく。内部では最大250℃まで熱したあと急激に冷やすことで、各部品やチップをしっかりとはんだ付けすることができる。今回は片面だが、両面実装のメモリモジュールの場合、片面のはんだ付けが終わった時点で、ソルダーペーストを塗布するところから改めて実装作業を行う。
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| リフロー炉を流れるPCBはリアルタイムで温度管理されている |