Google TVを使う前に、まずは「Modern MD272UPSW」の液晶ディスプレイとしてのポテンシャルから確認していこう。27型で3,840×2,160ドットの4K解像度に対応、一般的なデジタルデバイスで採用される色域sRGBを99%、より広色域なAdobeRGBを94%、デジタルシネマ向けのDCI-P3を98%カバーしており、高精細な4K解像度と鮮やかな色彩表現を兼ね備えている。トーンジャンプなどを抑制したスムースな画質を表現できるため、映画や番組の視聴はもちろん、デジタルコンテンツを制作するクリエイターニーズにも応えるスペックを備えている。
IPSパネルを採用することで視野角は水平垂直ともに178°と広く、パネル全体で変化に強く安定した画質を維持している。一般的なゲーミング液晶と比較すると、60Hzのリフレッシュレートや応答速度は4ms(GTG)で動きの速いシーンではやや残像感が目立つが、精細で発色に優れるパネルは画像や動画編集をはじめとするコンテンツ制作に最適だ。
また、USB Type-Cポートは最大65Wの「USB Power Delivery」による電力供給と、映像信号の伝送が可能な「DP Alt mode」を備えているため、対応するノートPCなどのデバイスは付属のUSB Type-Cケーブル1本で拡張ディスプレイとして利用できるほか、クラムシェルモードにも対応する。仕事の続きや学校の課題など、大画面で操作できるため作業効率も向上する。
ストレスフリーで使える「Google TV」
Google TVを搭載した「Modern MD272UPSW」はPCを接続していなくても、インターネット環境があれば映画や番組などの各種コンテンツを楽しむことができる。リモコン操作による使い勝手もきわめて良好。筆者はNetflix、Prime Video、U-NEXT、TVerを主に利用するが、Google TVの動作は軽快で、スクリーンセーバーからの復帰、Google TVとHDMIなどの各デバイス間の切り替えも素早くストレスを感じることはなかった。また音声リモコン機能を使えば、話しかけるだけでコンテンツの検索をすることができる「Googleアシスタント」も利用可能だ。
Google TV機能が目立つ「Modern MD272UPSW」ながら、解像度は4Kと申し分なく、クリエイタースペックも備えるため写真や動画編集はもちろん、Webデザインやイラスト制作といったシーンでも活躍できる。「USB Power Delivery」と「DP Alt mode」によるノートPCとのスマートな接続や、マウス/キーボードといったデバイスを表示画面ごとに切り替えて共有できるKVMスイッチ機能など、仕事で使える機能が充実している点も大きい。
Google TV機能を盛り込んだため、通常の4K対応27型液晶ディスプレイとしては割高となっている点を差し引いても、TVを購入するよりはお買い得。「テレビ離れ」が進む昨今、仕事にも遊びにも1台で済ませたい人にこそオススメしたい製品だ。