Oscar Lee氏
苦労して完成したサンプルの冷却テスト結果が思わしくなかった時です。例えば「ASSASSIN IV」は、120mmと140mmファンを各1基装備しています。中央の140mmファンのブレードの枚数は9枚にしていますが、これはヒートシンクのフィンに風が当たった際、どうすれば最適なエアフローを実現できるのかを考慮した結果です。
Oscar Lee氏
最近のハイエンドCPU(Ryzenシリーズや第14、15世代Coreシリーズなど)では消費電力が急増し、コアの発熱する場所も不規則かつ偏りが見られます。その結果、従来の銅ベース+ヒートパイプ構造のクーラーでは、冷却が難しくなってきました。ヒートパイプのポジションが冷却性能に重要なワケですが、CPUが変わるたびにマウントを調整してファンの位置変更し、コアの位置を合わせるのは現実的ではありません。そこで採用を決めたのがベイパーチャンバーです。
編集部
ベイパーチャンバーの利点とは。
Oscar Lee氏
そもそもベイパーチャンバーは、熱を均等に広げる板状の構造になっています。最大のメリットは、接触面全体で熱をすばやく均一に広げられること。銅ベースが「点から点」への熱伝導であるのに対して、ベイパーチャンバーでは「面から点」への伝導のため、理論上どんなCPUのコア構造にも柔軟に対応できるワケです。