|
例えば「ASSASSIN IV」を例にCPUクーラーの開発期間はどのくらいかかるのでしょうか。
モデルにより異なりますが、開発開始から販売まで1年から1年半くらいです。
CPUクーラーの開発において一番大変なところはどこですか。具体的な箇所などあれば教えてください。
苦労して完成したサンプルの冷却テスト結果が思わしくなかった時です。例えば「ASSASSIN IV」は、120mmと140mmファンを各1基装備しています。中央の140mmファンのブレードの枚数は9枚にしていますが、これはヒートシンクのフィンに風が当たった際、どうすれば最適なエアフローを実現できるのかを考慮した結果です。
|
(2023.09.01 更新)
「ASSASSIN VC」では
ベイパーチャンバーが話題となりました。採用理由を教えてください。
最近のハイエンドCPU(Ryzenシリーズや第14、15世代Coreシリーズなど)では消費電力が急増し、コアの発熱する場所も不規則かつ偏りが見られます。その結果、従来の銅ベース+ヒートパイプ構造のクーラーでは、冷却が難しくなってきました。ヒートパイプのポジションが冷却性能に重要なワケですが、CPUが変わるたびにマウントを調整してファンの位置変更し、コアの位置を合わせるのは現実的ではありません。そこで採用を決めたのがベイパーチャンバーです。
ベイパーチャンバーの利点とは。
そもそもベイパーチャンバーは、熱を均等に広げる板状の構造になっています。最大のメリットは、接触面全体で熱をすばやく均一に広げられること。銅ベースが「点から点」への熱伝導であるのに対して、ベイパーチャンバーでは「面から点」への伝導のため、理論上どんなCPUのコア構造にも柔軟に対応できるワケです。
|
本来は熱密度が非常に高いサーバー向けに開発された冷却技術ですが、DeepCoolではサイドフロー型CPUクーラーに本格的に導入しました。さらに空冷CPUクーラーに特化させるべく、高温に強く膨張しにくい独自素材を使い熱による変形を防止。蒸気の流れるルートも再設計し、熱伝導がスムーズになるよう工夫したほか、密閉性を確保するため専用の溶接技術で製造しています。
もうひとつ、注目の最新技術
「Core Touch Technology 2.0」(以下:CTT 2.0)について教えてください。
最近のCPUは、コア中央のごく小さな部分だけが非常に高温になることがあります。CTT 2.0では、ヒートパイプが高温のホットスポットを囲むように配置されているため、素早く熱を逃がすことができます。
|
もう少し具体的に話をしましょう。以前からある「Core Touch Technology(CTT)」技術は、ヒートパイプをCPUに直接密着(ダイレクトタッチ式)させてきました。基本的なアプローチは変わりませんが、CTT 2.0では従来の丸型パイプから、四角型パイプへと形状を変更しています。これにより、これまで以上に隙間なくパイプを並べることが可能になり、接触性も向上。パイプ同士の接触面も増え、横方向の熱伝導も効率化されました。結果、接触面積が26%アップし全体の熱伝導効率が約12%向上しています。
|
CTT 2.0採用の製品はすでに日本でも数モデルが販売されていますが、今後も予定しているのでしょうか。
先日、
「AK400(CTT 2.0 ver.)」もリリースしましたが、年内には「AK400」の後継モデルとなる
「AK400 G2」をはじめ
「AK500 G2」「AK620 G2」といったCTT 2.0採用モデルを続々とリリース予定です。シングルヒートシンクとヒートパイプ7本で構成される
「AK700」のような新コンセプトも用意していますので楽しみにしていてください。
|
今年のCOMPUTEXで目立っていたのが、L字形状をはじめとした大型ディスプレイを備えた水冷ユニットでした。今後、リリースされる予定はありますか。
はい、現在開発中です。他社ではなかったようなアイデアを採用したモデルを出す予定になっていますので、こちらも期待して待っていてください。