厳選された部材を実装、その一方で無線LANカードは別売りという割り切り仕様
BIOSTARの「Z490GTN」は、同社のゲーミング向け
「Racing」シリーズに属するMini-ITXマザーボード。チップセットには最新のIntel Z490を採用しており、現状では第10世代Intel Coreプロセッサのみ搭載可能だ。往々にして、Mini-ITXマザーボードは小型かつ高機能なPCが組めるよう装備が豪華になりがちだが、本製品は無線LANカードを同梱しないなど、あえて機能を厳選。拡張するか否かをユーザーに委ねているのがひとつの特徴だ。結果的に、市場想定売価税抜23,500円という、Intel Z490を採用したMini-ITXマザーボードの中では圧倒的な低価格を実現している。コストパフォーマンスを重視するユーザーにとって要注目のモデルと言えるだろう。
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CPU電源回路には、安定した電力供給を可能にする「Super Hyper PWM」を採用。実際のコントローラを確認すると、ON Semiconductor「NCP81229」が搭載されていた
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チョークコイルは高耐久の「Super Durable Inductor」
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相対的に安価とはいえ、各種コンポーネントは厳選されている。合計9フェーズ(7+2)のCPU電源回路にはON Semiconductor製のPWMコントローラ
「Super Hyper PWM」(NCP81229)や高耐久チョークコイル
「Super Durable Inductor」を採用し、安定した電力供給が可能。電源コネクタも耐久性の高い
「Tough Power Connectors」とするなど、耐久性へのこだわりもうかがえる。小型ながら「Core i9-10900K」使用時でも若干のオーバークロックが狙えそうだが、実際の性能については後半セッションで確認していく。
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メモリは最大でDDR4-4400までのオーバークロックをサポートする
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スロットはPCI-Express3.0(x16)のみだが、金属補強された「IRON SLOT PROTECTION」仕様。耐久性にもこだわりが見える
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メモリスロットは2本、動作クロックは最大DDR4-4400、メモリ容量は64GBまで対応する。拡張スロットは金属補強された
「IRON SLOT PROTECTION」仕様で、PCI-Express3.0(x16)の1スロットのみ。ストレージはSATA3.0(6Gbps)x4のほか、基板の裏面にヒートシンクなしのM.2スロット(PCI-Express3.0x4/SATA両対応)を1つ用意している。このあたりはフォームファクタの都合もあり最小限といったところだが、一般的な自作PCを組むのであれば十分だろう。
ネットワーク機能はギガビットLANのみだが、Wi-Fi 6に対応する
「Integrated Intel Wireless-AC(CNVi)」スロットが用意されており、無線LANカードおよびアンテナを別途用意することで使用できる。小型モデルで無線LANは何かと便利に扱えるものの、自宅に据え置きで使う場面がほとんどない、というユーザーならば、そのぶん安価に購入できる「Z490GTN」が有力な選択肢となるわけだ。