ProArtist「DESSERTS3」の冷却性能をチェック

ここからは、まず上位モデルProArtist「DESSERTS3」の冷却性能をチェックしていこう。検証用のCPUは、Ryzen 5000シリーズの最上位モデル
Ryzen 9 5950で、マザーボードにはAMD B550チップセットを採用するASRock「B550 Taichi」を用意した。またストレステストは「OCCT 7.2.3 CPU:LINPACK」、CPUの温度やファン回転数の計測は「HWiNFO v6.40」を使用。マザーボードのファンコントロール機能はもっとも静音志向の「Silent Mode」に設定し、「ロースピードケーブル」を接続した状態でも計測を実施した。
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「CINEBENCH」系のマルチコアテスト時(画像左)は概ね4.045GHz、シングルコアテスト時(画像右)は4.90GHz前後までクロックが上昇する
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トップパネルに実装されているRGB LEDは、マザーボードの12V/4pinコネクタ経由でカラーや発光パターンを制御できる
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CPU温度計測

CPUに非常に高い負荷が掛かる「OCCT 7.2.3 CPU:LINPACK」だが、テスト中のCPU温度は概ね
67~72℃で推移。最高温度も
73.5℃までしか上がらなかった。動作クロックも定格(3.40GHz )を700MHz以上も上回る
最低4.150GHzを維持できており、Ryzenシリーズに実装されている自動オーバークロック機能も効果的に動作している事がわかる。ちなみに「ロースピードケーブル」の有無では動作クロック、CPUの温度とも大きな差はつかなかった。
冷却ファン回転数と騒音値

続いてファンの回転数を確認するとアイドル時は
680rpm前後、テスト中は
約1,100~1,300rpmで推移。ファン回転数の公称最大値は1,550rpmなので、冷却性能にはまだ余力が残されている状態だ。また「ロースピードケーブル」接続時は、アイドル時の回転数に変化はないものの、高負荷時の最高値は
約1,200rpmで頭打ち。このことから「ロースピードケーブル」は、常に回転数を低下させるのではなく、最高値を1,200rpm前後に抑える効果があるようだ。
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マザーボードのファンコントロール機能で、CPUファンの回転数を「Full Speed」にしたところ。「標準」では1,600rpm前後まで回転数が上昇するのに対して、「ロースピードケーブル」接続時は1,200rpm前後で頭打ちになる
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続いて騒音値を確認すると、アイドル時は
34.2dBAで、動作音は判別できないレベル。また高負荷時は、「ロースピードケーブル」接続時が
39.7dBA、「標準」でも
40.5dBAまでしか上がらず静音性は良好。バラック状態かつCPUファン以外は動作していないため、わずかに風切り音は聞こえるものの、通常のPCとして組み立てた場合はケースファンや電源ファンのノイズに完全に紛れてしまうことだろう。