全コア4.50GHz駆動にした場合の冷却性能をチェック
16コア/32スレッドのコンシューマ向け最高峰CPU Ryzen 9 5950Xに対しても、余力を残しているProArtist「DESSERTS3」。そこで手動オーバークロックで、コアクロックを4.50GHz、コア電圧を1.350Vに設定した状態でも冷却性能をチェックしてみることにした。なお「ロースピードケーブル」は接続しない状態で計測を行っている。
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UEFI BIOSの手動設定で、動作クロック4.50GHz、コア電圧を1.35Vに設定
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CPU温度計測

手動オーバークロックによって消費電力は約55W増加するものの、CPU温度は
最高81℃までしか上がらなかった。テスト中はサーマルスロットリングによって、CPUクロックが低下するような症状も見られず、ProArtist「DESSERTS3」であれば常用レベルのオーバークロックにも十分対応してくれることだろう。
冷却ファン回転数計測

ファンの回転数だが、アイドル時は
680rpm前後で定格と変わらず。一方、高負荷時の回転数はほぼフル回転となる
1,550rpm前後まで上昇。これに伴い、騒音値も
46.1dBAへと5.6dBA増加した。さすがに静音ではないものの、PCケースに入れてデスクの下に設置してしまえば、それほど気になることはないだろう。
ヒートシンクの温度計測
続いて非接触型デジタル温度計と、サーモグラフィを使いヒートシンクの温度を確認していこう。こちらもオーバークロック状態で、「OCCT 7.2.3 CPU:LINPACK」を30分実行した後に計測をしている。
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「OCCT 7.2.3 CPU:LINPACK」30分実行後のポイント別温度計測結果
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ポイント別温度を確認すると、CPUに接触するベース部分の温度が飛び抜けて高く、CPUから発生した熱を銅製ベースへスムーズに移動できている様子が見て取れる。またCPUから離れるに従ってヒートシンクの温度は低くなる様子は、多くのサイドフロー型CPUクーラーに見られる傾向だ。なお向かって右側の側面部分の温度が高いのは、テストで使用しているグラフィックスカードがセミファンレス駆動のため、グラフィックスカードから発生する熱の影響と見られる。
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アイドル時のサーモグラフィ結果
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「OCCT 7.2.3 CPU:LINPACK」30分実行後のサーモグラフィ結果
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またサーモグラフィの結果を確認すると、特に高負荷時はヒートパイプ付近の温度が明らかに上昇。さらにCPUに近いところの温度が高く、離れるに従って低くなる様子がひと目で確認できる。