通気孔仕様で防塵フィルタ付きトップパネル
高いエアフロー能力が自慢の設計とあって、当然ながらトップパネルはほぼ全面が通気孔仕様。マグネット固定式の防塵フィルタを外すと、ハニカム状の穴と冷却ファンおよびラジエター固定用のスリット(ネジ穴)が確認できる。
大判サイズの防塵フィルタは実測で幅約140mm、長さは約375mmにもおよぶ。またシャーシ面のスリット(ネジ穴)は計3列で、ストロークは約55mm。幅をもたせる事で設置箇所の調整が可能となり、汎用性が考慮されている。
サイドパネルは"魅せる左と通気性を確保した右”
上下各1本のハンドスクリューで固定された両サイドパネル。個性がある各々を順に見ていこう。右サイドパネル(実測幅約410mm、高さ約460mm)は、いわゆるソリッドパネル。シャーシ同様のスチール製で、同色に塗装されている。ただし単なる1枚板だけに留まらず、下部には防塵フィルタ付きの通気孔が設けられている。「FLUX」シリーズ共通の仕様は、後に紹介する「F-LUX PLATFORM」を構成する重要なポイントで、ボトムカバーエリアを側面から開放する仕掛けになっている。
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マグネット固定式の防塵フィルタは、実測で幅約365mm、高さ約130mm。デザインされた通気孔スリットは、幅約345mm、高さ約105mmにわたり、ボトムカバーエリアを側面から開放してくれる
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一方の左サイドパネルは御多分に洩れず魅せる仕様の強化ガラスを採用。やや色付きのガラスは4mm厚で、外形寸法は実測で幅約410mm、高さ約460mm。前寄りと後方にはスチール製のプレートが付き、黒縁を除くガラス面は幅約360mm、高さ約410mmだった。
リアパネルデザインで内部構造を読み解く
背面に回り、リアパネルの様子を見ていこう。まず上段右手は標準装備品の120mmファン、左手の開口部はマザーボードのバックパネル開口部。中段左は拡張スロット金具が積み重なり、その右手には2本のハンドスクリューが確認できる。この詳細は別の章で解説するとして、下段の最も大きな開口部は、ボトムマウントの電源ユニット搭載スペースだ。オーソドックスなミドルタワーPCケースのそれだが、注意深く見ると、冷却ファンからトップパネルまでの距離は比較的確保できており、天板のラジエター固定が想定されている事が分かる。また両サイドパネルは折り返し部上下各1本のハンドスクリュー固定式である事も分かる。

このように、リアパネルからは内部構造の様子がおおよそ想像でき、ひいてはPCケースそのものの性格も把握ができる。さすがに背面を見ただけでモデル名は言い当てられないが、それぞれの個性がある点は興味深い。
ボトムパネルデザイン
中身が空のうちに本体を逆さまにして、ボトムパネルを観察する。特に際立った仕掛けはないが、電源ユニット搭載スペースにはハニカム状の通気孔が設けられ、スライド着脱式の防塵フィルタで保護されている。四隅のインシュレーターはプラスチック製で、中央には小振りな長方形の滑り止めゴムを装着。歴代「FLUX」シリーズ検証時に心許ないと指摘した部分だが、特に改良された形跡はない。なお前方から中央部分を見ると、2本のネジと金属のツメが4箇所確認できる。これは着脱可能なシャドウベイユニットの底面部に当たる。
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後方スライド着脱式のプラスチック製防塵フィルタは、実測で幅約145mm、奥行き約190mm。なおプラスチック製インシュレーターは脚高20mm。ゴム片は長さ約75mm、幅約17mmだった
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