CPU/GPUのベンチマークテストではやや低めの結果が出ていたが、実際の利用に即したテストでは悪くない結果が出ている。32GBの大容量メモリと高速なPCI-Express4.0 M.2 SSDの効果が影響しているのかもしれない。パーツ個別のベンチマークテストでは振るわなかったが、総合性能では十分な結果だ。
続いて、Digital Content Creation(コンテンツ制作)のテスト詳細について見てみよう。ワンランク上のNVIDIA GeForce RTX 3070搭載機にはかなわなかったものの、同じミドルレンジのNVIDIA GeForce RTX 3060搭載機とは同等以上のスコアだ。やはり「Creator Z16 A11U」は総合力では優秀であり、小規模な作品であれば問題なく利用できると考えていいだろう。
「UL Procyon」はアドビのクリエイター向けソフトの快適さを計測するベンチマークテストだ。こちらは重いデータや高度な処理を行なうため、ハイアマチュア/プロ向けの作品作り向きと考えられる。比較用のデータは前述の「PCMark 10」と同じくミドルレンジのクリエイター向けノートPC (Intel Core i7-10875H/32GBメモリ/1TB NVMe SSD/NVIDIA RTX 3060、比較機①)と、ミドルハイのゲーミングノートPC (Intel Core i7-11800H/16GBメモリ/1TB NVMe SSD/NVIDIA GeForce RTX 3070、比較機②)の2機種だ。
「Photo Editing Benchmark」は画像加工に関するテストを行なう。「Image Retouching」は「Adobe Photoshop」メインでメモリとGPUの性能が影響しやすく、「Batch Processing」は「Adobe Photoshop Lightroom Classic」メインでCPUとストレージの性能が影響しやすい。「Video Editing Benchmark」は「Adobe Premiere Pro」を使ったテストで、フルHD (H.264)および4K (H.265)動画の出力にかかった時間が計測される。こちらの結果は総合スコアのみだ。
「Creator Z16 A11U」では「Photo Editing Benchmark」の結果が極めて優秀だ。おそらく32GBの大容量メモリと、超高速なPCI-Express4.0 M.2 SSDの効果が強く影響しているのだろう。画像や写真を扱うのであれば、「Creator Z16 A11U」は十分検討に値すると言っていい。しかしCPUとGPUの性能が強く影響する「Video Editing」では、やや控えめな結果となった。前述のCPU / GPUベンチマークの結果が振るわなかったことが影響しているに違いない。とは言えほかの機種に比べて低いだけであって、実用レベルでは問題ないはずだ。
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| 「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」を10分間実行し続けた際のCPUとGPUの温度およびCPUクロックの推移 |
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社