「Z9 Plus」を超えよ
稀に素性のわからないまま検証に着手することがあるが、今回もそんな1台だ。株式会社アスクの仕掛け人、N氏からのリクエストで編集部に届けられた「Z10 PLUS」は、ZALMANの次期主力PCケースとして市場に投入。執筆現在、ZALMANグローバルサイトのトップには、Z10シリーズをアピールする動画が繰り返し再生され、期待値の高さを窺い知ることができる。
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ZALMAN「Z10 PLUS」 市場想定売価税込15,400円(2022年10月28日発売)
製品情報(ZALMAN / 株式会社アスク)
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エルミタ的にZALMANのPCケースと言えば、同社初だったMini-ITXケース
「ZM-M1」(2014年6月11日掲載)検証作業の記憶が微かに残る程度。それよりも、売価5,000円クラスで長きにわたりミドルタワーPCケースの売上トップに居座り続けた「Z9 Plus」を覚えている読者は多いだろう。構成パーツをアップグレードしつつ、未だに現役主力PCとして活躍しているかもしれない。PCケースは大きく規格が変わらないだけに、自作PCパーツの中では長く使い続ける事ができる、希有な存在なのだ。そしてZ10 PLUSもまた価格帯こそ異なるものの、ロングセラーになるべく期待が込められた1台に違いない。
例によってバリエーションモデルもあり
冒頭でも触れたとおり、「Z10」シリーズには3機種がラインナップし、いずれも一斉に国内市場での販売がスタートしている。シリーズ中間にしてボリュームゾーンと目される「Z10 PLUS」についてはこの後詳細に解説していくワケだが、他に想定売価税込12,100円のエントリーモデル
「Z10」と、想定売価税込17,600円の上位モデル
「Z10 DUO」を用意。それぞれの違いは以下にまとめた通りだ。
- Z10 DUOのみフロントパネルに強化ガラスを装着
- Z10/Z10 PLUSのフロントパネルは着脱可能なメッシュパネルを標準装備
- Z10 DUOにはインフィニティミラーファン「ZM-IF120」(120mm)を4基標準装備
- Z10 PLUSには140mm ARGBファン3基+120mm ARGBファン1基を標準装備
- Z10 PLUS/DUOにはARGBコントローラー(基板)を標準装備
- Z10 DUOのみグラフィックスカードの垂直マウントに対応
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上位モデル「Z10 DUO」(市場想定売価税込17,600円)
製品情報(ZALMAN / 株式会社アスク)
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上位のZ10 DUOはフロントパネルにも強化ガラスを採用し、4基の120mmファンはより鮮やかに発光する、インフィニティミラーファン「ZM-FIF20」を標準装備。さらにグラフィックスカードの垂直マウントにも対応する。一方で、この後ご紹介するZ10 PLUSは、フロントパネルはメッシュ仕様で、標準装備ファンはフロント140mm x3基+リア120mm x1基(いずれもARGBファン)と異なる構成。そしてグラフィックスカードの垂直マウントには対応していない。
基本的には共通筐体ながら、仕様違いによりそれぞれの特徴がアピールされている。そして最も控え目なのが末っ子のZ10(無印)というワケだ。
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エントリーモデル「Z10」(市場想定売価税込12,100円)
製品情報(ZALMAN / 株式会社アスク)
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スペック表に見るZALMAN「Z10 PLUS」
実機に触れる前に、スペック表からZ10 PLUSの概要を把握しておこう。対応マザーボードはATX、MicroATX、Mini-ITXで、ケースタイプはATXミドルタワーと表記されている。また主素材はスチールで、副素材にプラスチック、のちに紹介する左側面には4mm厚の強化ガラスが採用されている。

外形寸法は幅220mm、奥行き481mm、高さ488mmで、最大サイズはミドルタワーPCケースの目安となる500mm以内。本体重量は約8.1kgとされる。

なおパッケージサイズは、幅325mm、奥行き570mm、高さ590mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は9.4kgとされる。持ち手を付けた場合、600mm近い高さが足かせになり、持ち歩きは少々厳しい。店頭購入の場合はキャリーカートの準備があった方がよさそうだ。