テストセッションの最後は、「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」の冷却性能や、静音性、消費電力といった実使用時に、気になる点を確認していこう。
ストレステストには、「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」と、「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を利用。温度や動作クロックなどは「HWiNFO64 Pro」を使用して記録している。「CINEBENCH R23」実行時のCPU温度は”CPU Package [°C]”、動作クロックは”P-core 0 Clock [MHz]”、”E-core 8 Clock [MHz]”としている。
「CINEBENCH R23」実行直後は、PL2が無制限の4095Wに設定されているため、Pコアは5,500MHz、Eコア4,300MHzで動作しているが、すぐにPL1の125W制限下に移行。Pコアは4,200~4,300MHz、Eコアは3,300MHz動作に下がり、CPUコア温度は50℃台での推移になっている。季節柄、室温は15~17℃なのを加味しても、360mmラジエーター搭載水冷「Celsius S36」の冷却性能には、十分な余力が残っている。
続けて「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を確認しよう。テスト実行中のCPU温度、動作クロックの推移に加えて、GPU温度”GPU Temperature [°C]”、”GPU Hot Spot Temperature [°C]”、ラジエーターファン回転数”GPU Fan1 [RPM]”、VGAクーラーファン回転数”GPU Fan2 [RPM]”を見ていこう。
ゲーミングストレステスト「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」実行中のCPU負荷は32スレッドに分散されるため、低めだ。PL1 125W制御下ながら、動作クロックもPコア 5,500MHz、Eコア 4,300MHzの高クロックで推移し、CPU温度は40~50℃台で推移している。
CPUよりも高負荷がかかるグラフィックスカードの温度は、240mmラジエーター&VGAクーラーの3連ファンで、GPUコア72.3℃、ホットスポット87.6℃に抑えこんでいる。
Core i9-13900Kの電力リミットや、十分な静音性を確保するPCケース「Define 7」の採用、Noctuaファンを組み合わせたグラフィックス用水冷ユニットで、超ド級スペックながら36dBA台の高い静音性を発揮している。
CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」実行時は最高253Wだが、125W制限下では210W台までダウンしていた。実ゲーミングを想定した「3DMark」実行時は、TGPが450WのGeForce RTX 4090に100%負荷がかかるため、消費電力は610Wに達している。評価機の「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」は、電源ユニットが容量1000Wにカスタマイズされているので、動作にまったく不安はないが、ゲーミング中の負荷は容量の50%を超えていた。
|
| サイコム「G-Master Hydro Z790 Extreme/D5」。基本構成を含め、注目の1台だ |
協力:株式会社サイコム