COMPUTEX TAIPEI 2023で見た"アレ”が遂に市販化
今年5月開催の
「COMPUTEX TAIPEI 2023」ブースレポートでお届けした、In Winの新型フルタワーPCケース「DUBILI」。その外観スタイルを多くの人は"アレ”に似ていると感じたであろうことは想像に難くないが、そんな事はさておきだ。
いみじくもレポート記事を担当した筆者の拙文を読み返すと、当時は完全組立式のフルタワーPCケースとして紹介している。しかし、いざ製品版は組み立て済みと完成型の2タイプが用意され、それぞれカラーバリエーション2色の計4機種に落ちついた。
取材時を振り返ると、確かに販売スタイルはまだ確定していなかった。プロトタイプのコンセプトは組み立て式だが、販売形態で完成版を推す声が集まれば、完成版も用意しようと考えたのだろう。つまり当時の出展は各国の関係者からフィードバックを集めるアドバルーン的な要素もあったに違いない。
「DUBILI」シリーズラインナップをチェック
計4機種で構成されるDUBILIのシリーズラインナップをより詳しくチェックしておこう。国内代理店の
株式会社アユート(本社:東京都文京区)のアナウンスによると、正式名称および市場想定売価は以下の通りだ。
- モジュラー部品版(型番:IW-CS-DUBILIMOD-GRY) チタニウム・グレー
- モジュラー部品版(型番:IW-CS-DUBILIMOD-GLD) シャンパン・ゴールド
- 組み立て済みケース版(型番:IW-CS-DUBILIASB-GRY) チタニウム・グレー
- 組み立て済みケース版(型番:IW-CS-DUBILIASB-GLD) シャンパン・ゴールド
本稿ではこの中から、
組み立て済みケース版(型番:IW-CS-DUBILIASB-GLD) シャンパン・ゴールドで検証を進めていく。
|
|
In Win「DUBILI」(組み立て済みケース版)シャンパン・ゴールド(型番:IW-CS-DUBILIASB-GLD)
市場想定売価税込39,980円(2023年11月17日発売)
製品情報(In Win / 株式会社アユート)
|
ちなみに市場想定売価がやや複雑で、モジュラー部品版はチタニウム・グレーが税込32,980円、シャンパン・ゴールドが税込34,280円。組み立て済みケース版はチタニウム・グレーが税込38,980円、シャンパン・ゴールドが税込39,980円とされる。

モジュラー部品版と組み立て済みケース版の価格差は6,000円(チタニウム・グレー)と5,700円(シャンパン・ゴールド)だが、これは単純に"組み立て手数料”ではなく、後者には140mmファン4基が標準で装備されている点が大きい。
|
|
モジュラー部品版のパッケージを見ると、各パネルが3層に分かれて収納されている
|
スペック表に見るIn Win「DUBILI」
次にスペック表から、DUBILIの概要を掴んでおこう。外形寸法は幅244mm、奥行き523mmで、高さはハンドルモード時で567mm、フィートモード時で543mmとされる。各モードについてはこの後詳しく解説するが、DUBILIは2パターンの外観スタイルが選択できる。カラーはチタニウム・グレーとシャンパン・ゴールドの2色で、使われている素材はアルミニウム、SECC、強化ガラス、プラスチック(ABS樹脂)。強度が必要な箇所、見映えの重視、加工のしやすさといった目的や理由から、使い分けされている。

対応フォームファクタはE-ATX(12"x13")、ATX、MicroATX、Mini-ITXで、スペック表ではフルタワーPCケースに分類されている。なおモジュラー部品版と組み立て済みケース版の違いは標準搭載ファンの有無で、外形寸法や重量を含め、両者は共通である点は興味深い。つまり完成版とバラバラの状態は同じ品物であり「ホントウにバラバラ状態から完成版が組み上げられる」という、単純でありながら構造および設計の「妙」であり、リベットを使わずに組み上げる事ができるのは、かなり高度な筐体である事が分かる。
なお使用素材はパネル部(フロント/サイド/ボトム/マザーボード&ファントレイ)が1.2mm厚SECC、U字型アルミニウム(Handles/Feet)は4mm厚アルミニウム、Tempered Glass サイドパネルは3mm厚強化ガラスが採用されている。
|
|
|
異なるパッケージ。左が組み立て済みケース版、右がモジュラー部品版
|