ちなみに、最新の「X870E Taichi」や「Z890 Taichi」に適しているCPUクーラーは空冷ですか、それとも水冷ですか。
(きっぱりと)水冷です。理由は3つ。一つ目は、最近のCPU(AMD、Intel問わず)は、発熱が非常に多いからです。水冷ユニットでしっかり冷却するのが良いでしょう。ふたつ目は静音性。負荷をかけた際でも、比較的静かなのが水冷ユニットです。そして最後は、VRMヒートシンクの設計です。Taichiでは水冷ユニットの使用を前提に、エアーが当たりにくいVRMヒートシンクを冷却するため30mmファンを内蔵しています。水冷ユニットを選んだユーザーも安心して使うことができます。
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| 「Z890 Taichi」の電源周りに採用されているヒートシンクは、ヒートパイプで連結された2ブロック構成。SPSだけでなくチョークコイルと接触する部分にも熱伝導シートが貼り付けられているほか、VRMヒートシンクを冷却するための30mmファンを搭載する |
Intel「Core Ultra 200S」シリーズでは、前世代のモデルと比較すると発熱は落ちています。マザーボードを開発する段階で影響はありますか。
電源効率という点では優れていますが、一方でオーバークロックのポテンシャルも高いCPUになっています。消費電力やCPU温度よりもパフォーマンスを優先したいというユーザーでも安心して使えるマザーボードとして設計を行っています。
(2024.11.17 更新)
今回のTaichiシリーズのマザーボードで「ここは見てほしい」というこだわりの部分はどこですか。
すべてのIntel Z890搭載モデルで採用していますが、EMIノイズを効果的に吸収する
「Memory OC Shield」(特許出願中)です。メモリモジュールをノイズから保護するとともに、レイアウトを最適化することで、高クロック動作時の安定性と信頼性を高めています。Taichiでは、最高9,600MHz+までのオーバークロックメモリへ対応しています。
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「Z890 Taichi AQUA」についてお聞きします。販売価格は税込169,800円前後(2025年2月現在)ですが、原価はそれ以上のコストがかかっていると聞きました。これは本当ですか。
その通りです。ASRockファンのための特別モデルという位置づけで限定生産となります。特にGen 5 SSDを水冷化するために、Alphacoolと共同開発したVRM+SSD用水冷ブロックにはコストがかかっています。
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| 世界初のGen5 SSD用水冷ブロックを搭載する「Z890 Taichi AQUA」 |
Alphacoolと共同開発した水冷ブロックを搭載していますが採用までの経緯を教えてください。
「Z890 Taichi AQUA」の開発にあたり、DIY水冷メーカーを何社かリサーチしました。最終的に某社とAlphacoolの2社に絞りましたが、最後は評判が大変良かったAlphacoolを採用しました。今後も機会があれば、新製品に採用していきたいと考えています。
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| Alphacoolと共同開発したVRM+SSD用水冷ブロックの採用。100%負荷時でもSSDの温度は48℃までに留まるという | |
白い基板のマザーボードが増えていますが、理由はどこにあると考えていますか。
ひとつは市場からのデマンドが高まっているためです。マザーボードだけではなく、PCケースやグラフィックスカード、メモリ、電源にいたるまで白で統一したPCを組みたいという需要に応えるためです。もうひとつは技術の進歩です。ASRockは比較的早くから白い基板の製品を扱ってきましたが、製造工程上、どうしても黄ばんでしまう事が多かった。近年の技術向上により改善され、白い基板を作りやすくなったのも理由でしょう。
日本では白いPC(パーツをふくむ)が人気ですが他の国でも同様ですか。
白を好むのは日本とアメリカです。最近では台湾やヨーロッパ圏でも人気が高まりつつあります。白は新しいイメージがあるようです。マザーボードのラインナップも一定の比率で白いモデルを用意するようにしています。
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| 基板はもとより、ヒートシンクまでホワイトに塗装された「Z890 Steel Legend WiFi」 |
自作市場ではピラーレスデザインのPCケースが人気です。マザーボードの開発で意識することはありますか。
はい、ケースメーカーとは事前に話をしたり、サンプルのケースを提供してもらい実際に組み込んでみて、基板の配色やRGBの発光の様子など見た目を確認したりといろいろ試しています。
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| AntecのピラーレスデザインPCケース「Constellation C7 ARGB」に組み込んだ「Z790 Steel Legend WiFi」 |
日本ではまだ未発売の液晶ディスプレイや投入されたばかりの電源ユニット市場へ参入した理由を聞かせてください。
今まではマザーボードとグラフィックスカードだけでしたが、ユーザーから他のカテゴリーの製品も扱ってほしいというニーズがありました。そこで、液晶ディスプレイと電源ユニットを新たに始めました。液晶ディスプレイは、特にゲーマーの皆さんに使って欲しいと考えており、日本市場でも2025年の早い段階で投入予定です。
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| 「Steel Legend」シリーズから国内販売がスタートした電源ユニット。80PLUS/Cybenetics TITANIUM認証取得のフラッグシップ「Taichi」シリーズもまもなく発売される予定だ |
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| ASRock電源ユニットの国内初披露となったイベントでは、その期待の高さからか会場に入りきれないほどの来場者で賑わった |