RDNA 4を採用するAMDの最新GPU「Radeon RX 9070」シリーズ
AMDの最新アーキテクチャである
「RDNA 4」を採用する、最新GPUの
「Radeon RX 9070」シリーズがいよいよデビューすることになった。年明け早々にCES 2025の基調講演にてその存在が明かされると、各メーカーより(詳細仕様に先行して)搭載製品の投入が予告されてきた。1,440p~4Kゲーミングを主戦場とするアッパーミドルクラスのGPUで、AMDいわく「700ドル未満でのアップグレードを求めている最も多くのゲーマー層」がターゲットだ。
製造プロセスが4nmへと微細化されたほか、レイアクセラレータが第3世代にアップグレード。
レイトレーシング処理の実効速度が従来比の2倍に向上しており、大幅に強化されたレイトレーシング性能には期待がもてる。さらに第2世代AIアクセラレータを搭載したことで、
AI処理性能は従来比で最大8倍まで高速化したという。
そしてアップスケーリング機能もまた、最新AIアクセラレータと機械学習を組み合わせた
「AMD FidelityFX Super Resolution 4 (AMD FSR 4)」に進化。オリジナルと同等の画質ながら4Kゲーミングにおけるフレームレートが最大3.4倍に向上するなど、大きく性能を向上させている。対応タイトルもローンチ時点で30以上、2025年中には75タイトル以上にサポートが拡大する予定という。
GPUとしての仕様を確認しておくと、上位の
「Radeon RX 9070 XT」はCompute Unit
64基、ストリームプロセッサ数
4,096基、レイアクセラレータ64基、AIアクセラレータ128基という構成。ブーストクロックは
2.97GHzでAI処理のピーク性能は1,557 TOPS、メモリスピード20Gbpsのビデオメモリ
GDDR6 16GB(メモリバス幅256bit)を実装する。
Compute Unit数は少ないながらRadeon RX 7900シリーズに匹敵する性能をもつとされ、実際に同シリーズの下位モデルであるRadeon RX 7900 GREとの比較では、4Kゲーミング性能が最大42%、1,440p性能は最大38%も向上している。
なお、バスインターフェイスはPCI Express 5.0(x16)に対応するほか、標準仕様における補助電源コネクタは8pin×2、TBPは304Wとされる。
また、
「Radeon RX 9070」は、Compute Unit
56基、ストリームプロセッサ数
3,584基、レイアクセラレータ56基、AIアクセラレータ112基で構成。ブーストクロックは
2.52GHz、AI処理のピーク性能は
1,165 TOPSとされ、メモリスピード20Gbpsのビデオメモリ
GDDR6 16GB(メモリバス幅256bit)を実装する。補助電源コネクタは8pin×2仕様、TBPは220Wだ。
こちらも前世代のRadeon RX 7900 GREとの比較では4Kゲーミング性能が最大21%、1,440p性能は最大20%向上しているという。
そして注目すべきはその価格で、「Radeon RX 9070 XT」は
599ドル、「Radeon RX 9070」は
549ドル。「Radeon RX 9070 XT」に至っては競合と目されるGeForce RTX 5070 Ti(750ドル)に比べて20%ほども安く、コストパフォーマンスの高さが際立っている。実際の日本における販売価格がいくらになるかはレビュー執筆時点で不明ながら、競争力の高いプライスで人気を集めそうだ。
巨大クーラーと堅牢電源搭載のOCモデルASRock「Radeon RX 9070 XT Taichi」
「Radeon RX 9070」シリーズにはリファレンスモデルが用意されず、今回の検証にあたり編集部にはRadeon RX 9070 XTのレビューサンプルとして
ASRock「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」(以下「Radeon RX 9070 XT Taichi」)が届けられた。
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ASRock「AMD Radeon RX 9070 XT Taichi 16GB OC」
製品情報(ASRock)
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ASRockのフラッグシップ「Taichi」シリーズに属するグラフィックスカードで、3スロットを占有する巨大な3連ファンクーラー
「Taichi 3X冷却システム」を装備。スムーズにエアを導く
エアディフレクションフィンや
ウルトラフィットヒートパイプを組み合わせたヒートシンクを備えるほか、大風量を生み出す100mm径の
ストライプリングファンはセミファンレス動作に対応している。
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基板部分を大きく上回る巨大クーラーを装備。背面にはTaichiデザインのメタルバックプレートが装着されていた
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また、
16フェーズSPSによる電源回路を搭載し、動作クロックはゲームクロック2,570MHzかつブーストクロック最大
3,100MHzのオーバークロック仕様。メモリスピードは20Gbps、GDDR6 16GBのビデオメモリを実装している。
なお、補助電源コネクタはRadeonシリーズでは珍しい
12V-2×6(16pin)を採用。出力インターフェイスはDisplayPort 2.1b×3、HDMI 2.1b×1の4系統を備える。
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「Taichi」シリーズのロゴが大きくデザインされた「Radeon RX 9070 XT Taichi」のパッケージ。強力な冷却機構やその仕組み、電源回路などのアピールポイントがまとめられている
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8pin×3を使用する12V-2×6(16pin)の変換コネクタが付属
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3スロット占有の重量級カードのため、VGAサポーターも同梱されている
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