台北市内のオフィスビルにある本社と工場
Teamは1997年に創業されたPCパーツメーカー。PC用メモリ、メモリカード、USBフラッシュメモリ、SSD、周辺機器、携帯電話アクセサリの開発・製造を行っている。近年の国内市場では、デスクトップ向けのメモリやSSDでシェアを拡大。特にライバルメーカーに先駆けて高クロック動作のDDR5メモリを積極的に発売するなど新製品も多い。また、週末ともなれば秋葉原の各ショップでメモリやSSDの特価を多数販売している光景を目にするという人もいるだろう。実際に国内市場シェアは急激に成長しており、自作ユーザーが店頭やWEBで“Team”を目にする機会は多くなっている。
そんなTeamの本社と工場があるのは、PCパーツメーカーの多くがHQ(ヘッドクォーター)を構える台湾・台北市だ。近隣には、国内ユーザーにもお馴染みのMSIことMicro-Star Int'l Co.,Ltd.やSupermircroのオフィスも確認できた。
Team内部へ進む前に本社および工場の概要を簡単に説明しておこう。取材班が案内されたのは、18階建ての大きなビル。一見すると、街中によくあるごく普通のオフィスビルといった佇まいだが、実はDRAM製造工場もここに入っている。
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フロア案内を見るとTeamのほかSupermircroや日本のユーザーにとっては懐かしいLEADTEKなども入居していた
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3階と4階にはTeamの本社オフィスがあり、第一印象は「綺麗でオシャレ」。共有の休憩スペースを中心に各部署に分かれており、ひとりひとりのデスクも大きなスペースが確保されていた。本社と工場を合わせて約430名のスタッフが働いているが、このうち約150名が本社オフィスでのデスクワークが主な業務になる。
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写真の営業部門では特に女性スタッフが多い
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開発部門のスタッフは男性が多めだ
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いっぽうの工場は15階の1フロア。面積3085.61㎡(934坪)の広さに、製造ラインはもちろん、各検証エリアや部材の倉庫、梱包まで全ての機能が詰まっている。ここでは約250名のスタッフが、交代制で24時間休むことなく稼働している。PCパーツの工場と聞くと、歩くだけで疲れるような広大な敷地と巨大な工作機械を思い浮かべるが、PCケースやマザーボードと異なり、Teamの主力製品であるメモリやSSDのサイズは小さい。そのため工場のスペースも、それほど必要としないというワケだ。
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24時間体制で稼働しているDRAM製造ライン
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さらに、エレベーターで行き来できる本社と直結されているため、何か問題が発生した際には即対応できる体制が整っている。取材中も、スタッフが本社と工場を頻繁に行き来している光景が多く見られた。このようにTeamの製品は、3階・4階のオフィスと15階の工場で全て完結しており、完全な“メイドイン台湾”を実現しているのが大きな強味となっている。なお、同工場の生産能力は、片面実装のメモリであれば1時間で約650枚、1日で約15,000枚が製造可能だ。
百聞は一見に如かず。まずは下記の動画をご覧いただきたい。1枚のPCBから、DDR5メモリが完成するまでの様子を詳細に撮影、解説している。