GeForce RTX 5090 Laptop GPUはAI処理もおまかせ
ハイエンドGPUを購入する人にとって、いまや主要な理由の一つになっているのがAI利用だ。GeForce RTX 5090 Laptop GPUは、そのGPU性能だけでなく、AI用途に効くビデオメモリ容量が24GBと多いのも特徴だ。ここからはそんなAI処理性能をベンチマークの「UL Procyon」を使って確認していこう。
ベンチマークテスト:AI Image Generation Benchmark
まずはVRAM容量が影響する、画像生成AI「Stable Diffusion」のパフォーマンスを計測する「AI Image Generation Benchmark」で確認していく。512×512ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion 1.5 (FP16)」(最小VRAM8GB)と、1,024×1,024ピクセルの画像を生成する「Stable Diffusion XL (FP16)」(最小VRAM10GB)を実行した。ともに16枚の画像を生成する処理からスコアを算出する。
GeForce RTX 50シリーズの登場時に、テストが対応していなかったのもあり、GeForce RTX 5080のみ、筆者が過去に測った結果があったので参考値として利用した。
GeForce RTX 5080に迫るスコアを残していたレンダリング系ベンチマークと違って、大差をつけられている。とくに「Stable Diffusion XL (FP16)」では1枚あたりの生成時間が約4.6秒、16枚だと約74秒も長く掛かってしまう。最大150Wまでに制限された消費電力が、影響しているのだろう。ウェブの結果となるが、GeForce RTX 4090 Laptop GPUとの比較では、より負荷の高い「Stable Diffusion XL (FP16)」で27%強向上し、1枚あたりの生成時間もスコアなりに短縮しているため画像生成も不安なく行えるだろう。
ベンチマークテスト:AI Text Generation Benchmark
次は複数のLLM(大規模言語)モデルでテキストを生成する「AI Text Generation Benchmark」で確認していこう。言語モデルは「PHI 3.5」、「MISTRAL 7B」、「LLAMA 3.1」、「LLAMA 2」になる。
こちらも、デスクトップ版GeForce RTX 5080には届かず、15%から25%のダウンとなっている。「AI Image Generation Benchmark」と同じく、ウェブ上の結果だがGeForce RTX 4090 Laptop GPUからは、「PHI 3.5」で約7%、「MISTRAL 7B」と「LLAMA 3.1」で約13%、「LLAMA 2」で約22%とスコアは上回っている。
最大150Wの制御下となるノート向けGPUとしては、間違いなく性能向上しており、“ノートPC最強”と言ってよいAI処理能力だ。
OLEDパネルが活きるゲーミングパフォーマンスを確認
ベンチマークセッションの最後は、ゲーミングパフォーマンスだ。GeForce RTX 5090 Laptop GPU搭載ノートPCは、ディスプレイに大型の16型または18型OLEDパネルを採用しているモデルが多く、動画視聴や写真、動画の編集、ゲームを美麗な映像で楽しむことができる。なかでもゲームは、OLEDパネルを活かした最高画質でプレイしたくなるほど綺麗だ。
消費電力の枷はあるが、デスクトップ向けのGeForce RTX 5080に近いGPUスペックに、24GBのVRAM、フレームレートを大幅に引き上げるNVIDIA DLSS 4に対応するGeForce RTX 5090 Laptop GPUは、かなり期待できるはず。なお、ゲーミングパフォーマンスはCPUや、GPUドライバーのバージョンなどの影響を受けやすいので、基本、参考値は用意していない。
ベンチマークテスト:3DMark Speed Way
定番3Dベンチマーク「3DMark」の結果から確認していこう。まずはレイトレーシングやメッシュシェーダーなどに対応するDirectX 12 Ultimateを使用する「Speed Way」からだ。
スコアは6,106で、テスト中のフレームレートも60fps超えを記録している。CPUやGPUのドライバーバージョンなど、細かな点が異なる過去の結果になるが、GeForce RTX 4080 Laptop GPUからは約28%、GeForce RTX 4090 Laptop GPUからは約7%向上している。
ベンチマークテスト:3DMark Steel Nomad
同じく「3DMark」から、最近のDirectX 12ゲームタイトルにあわせた最新世代のテストプリセットになる「Steel Nomad」だ。レイトレーシングは使われていないが、テスト解像度は3,840×2,160ドットの4Kとなっている。
4K解像度でのテストとあって、残念ながらわずかに60fpsを切っているが、スコアは前世代最上位のGeForce RTX 4090 Laptop GPUを余裕で上回っている。また、解像度を2,560×1,600ドットに落とすことで、テスト中のフレームレートは105fpsまで伸びた。
フレームレートを大きく引き上げるアップスケーリング、マルチフレーム生成のNVIDIA DLSS 4を併用すれば、最高のグラフィックでの4Kゲーミングも十分視野に入る。