「MAG 322URDF E16」のゲーミング性能をチェック
ここからは、実際に「MAG 322URDF E16」を使った実動インプレッションをお届けする。動作検証にあたっては、Core i7-13700KFとGeForce RTX 4080を搭載するMSIのハイエンドゲーミングマシン「Aegis Ti5 13NUG-257JP」を用意。4Kモード(160Hz)とフルHDモード(320Hz)を切り替える「デュアルモード機能」の使用感もテストしている。
ゲームに最適なRAPID VAパネル、PS5では4K/120Hz動作も可能
RAPID IPSパネルを採用することでコントラスト比は1,000:1、輝度は400cd/㎡、最大表示色は約10億7,300万色(8ビット + FRC)を実現。視野角は水平垂直ともに178°と十分に広いが、フレーム端においては輝度の低下が確認できる。しかし、中央の輝度は非常に高く画面を注視するようなゲームではずば抜けた視認性を得られる。
動画は4K解像度の夜景による映り具合のチェックからスタート。さらに「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」と続く。いずれもオープンワールドRPGならではの迫力ある演出を重視したゲームタイトルに最適なのがわかる。後半ではFPS系タイトルとして「Apex Legends」を紹介。最後にPlayStation 5を使用した最大120Hzの高速リフレッシュレート表示を試している。
注目機能の「デュアルモード」を試す
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「Naviキー」には初期設定で「MSIデュアルモード」が割り当てられている
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4Kモード(160Hz)とフルHDモード(320Hz)を切り替える「デュアルモード機能」を試してみよう。OSDメニューの「MSI Dual Mode」を有効にすると解像度重視、またはリフレッシュレート重視などプレイするゲームに応じて切り替えが可能。ジョイスティック操作やOSDメニューから手軽にモードを切り替えることができる点にも注目だ。なお、モード切替の際はアプリケーションの再起動が必要になる場合がある。ちなみに「モンスターハンターワイルズ ベンチマーク」ではソフトの再起動は不要だったが、オプションから解像度を1,920×1,080に設定する必要があった。
リフレッシュレート比較
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、デュアルモードの1,920×1,080(FHD)解像度におけるリフレッシュレート60Hz/120Hz/240Hz/320Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
検証動画の通り、RAPID IPSパネルがもつ応答性能の高さを実感する結果となった。60Hzのリフレッシュレート設定でも低残像であることが分かり、240Hzや320Hz動作においては、コマ送り感のない極めて滑らかな描画を実現している。
ゲームも動画も大画面。デュアルモード搭載で全方位をカバーする万能ディスプレイ
「MAG 322URDF E16」が欲しいと思った最大の理由は、31.5型の大画面でデュアルモードに対応する点。筆者が使うのはNetflixやAmazonプライム・ビデオ、スポーツ観戦といった動画鑑賞とまったりプレイするオープンワールド系のゲームがほとんど。そのため大画面による4Kモード(160Hz)は美しい映像と滑らかな動きが大変ありがたい。
いっぽう、我が家の子供はというと、もっぱら「レインボーシックス シージ エックス」や「VALORANT」「フォートナイト」といったFPS/TPSをメインにプレイしており、フルHDモード(320Hz)の恩恵を肌で感じているという。使い方としてはやや特殊ながら、まったく異なった環境でも全方位でカバーできるのが「MAG 322URDF E16」がもつ最大の魅力だ。
問題は約100,000円(税込99,800円)という価格設定。低価格化が進むOLED(有機EL)やMini LED採用ディスプレイもモデルによっては手が届く。画像の綺麗さでは、単純にこれら最新ディスプレイが優れているだけに、ここは十分迷うところ。また、4Kモード(160Hz)を活かすには、それなりのPCスペックが要求されるという点も忘れてはならない。
それでも「MAG 322URDF E16」は、ゲームによって使用する液晶ディスプレイを変えていた(もしくは変えたいと考えていた)というハードユーザーにとっては貴重なモデル。1台のディスプレイで幅広い遊び方が可能になるという点において、現時点では最高クラスの製品と言えるだろう。