鮮やかな映像でゲームや動画を楽しもう
ここからは「MAG 274QPF X30MV」のメイン用途となるゲーミングシーンで試していこう。Radeon RX 9060 XT 16GBを搭載したWindowsゲーミングPCに接続すると、リフレッシュレートはHDMI、DisplayPort端子ともに、最大300Hzに設定可能で、「動的リフレッシュレート」も「オン」に設定できる(本体Adaptive-Sync:オン)。
|
|
HDMI、DisplayPort入力ともに、50Hz~300Hzのリフレッシュレートに対応している
|
テストは解像度2,560×1,440ドット、144Hz超えの高リフレッシュレート駆動が効く、FPSゲームの「Tom Clancy's Rainbow Six Siege X」をプレイ。また、リフレッシュレートの影響は少ないが、美しい映像で楽しみたい「Microsoft Flight Simulator 2024」をプレイしてみた。
筆者はFPSゲームに強いわけではなくエイム力も高くないのだが、240Hzを超えるリフレッシュレートで残像感の少ない滑らかな動きの効果ははっきりと感じられる。手ごろな価格で人気のRadeon RX 9060 XT 16GB搭載グラフィックスカードでも、グラフィック品質を落とすことで解像度2,560×1,440ドット、240~300Hzの高リフレッシュレートでプレイできるのも嬉しいところだ。
「Microsoft Flight Simulator 2024」では、HDRを効かせてプレイ。カラーモードを「ユーザー」にするなど、好みに合わせてカスタマイズは行ったが、鮮やかな映像だった。青空と真っ白な雲、海面への太陽光の反射などを眺めながら、カルフォルニア州サンフランシスコを満喫できた。
|
|
現実ではまず無理なゴールデン・ゲート・ブリッジの下を飛ぶなど、映像を楽しみながらフライト
|
ゲーミング向けの独自機能をチェック
ゲームプレイとともに、「MAG 274QPF X30MV」が備えている独自のゲーム向け機能を確認していこう。試したのは、定番機能のひとつで暗い部分を明るく補正する「ナイトビジョン」機能と、暗い部分を明るくするだけでなく、シーンに合わせて明るさ、コントラストを自動で調節する「AI Vision」機能の2つだ。「オフ」に加え、「通常」「強い」「最も強い」「A.I.」の4段階を選べる「ナイトビジョン」機能から試してみた。
|
|
ゲーム世界観でのロールプレイとしては正しいのだが、松明を装備しないと探索は厳しい状態のシーンで確認
|
|
|
|
「通常」。かなり暗いゲームシーンなので、効きがわかりやすい
|
「強い」。奥の上部にあるオブジェクトも視認できるようになった。この辺に敵が隠れていた場合、先制できそうだ
|
|
|
|
「最も強い」。よりハッキリと視認可能に
|
「A.I.」。かなり明るくなり、松明などの光源不要で探索可能
|
|
|
|
全体的に明るいシーンでも試してみた。こちらはオフの状態
|
「A.I.」の状態。ある程度効果を確認できる
|
続けて「AI Vision」を試すと、効果は「ナイトビジョン」の「A.I.」と同じ印象。また暗くないシーンでは、全体的にコントラスト高めな白っぽい映像になった。「ELDEN RING」や「ELDEN RING NIGHTREIGN」など暗所の多いゲームは相性が良い。
|
|
|
通常
|
「AI Vision」オン
|
ゲームの快適さを引き出す300Hz駆動、色彩の鮮やかさも魅力の27型WQHDディスプレイ
本機に限った話ではないが、VAパネルの弱点である視野角は、RAPID VAパネルでも同じ。適切な距離(60~70cmと言われている)を確保して設置する必要がある。同様に斜めに設置するマルチディスプレイとしても、あまりおすすめできない。また、デフォルトカラーモードの「プレミアムカラー」は好みが分かれそうなので、初期設定は必須になる可能性が高い点は覚えておきたい。
中華メーカーの台頭も著しく競争の激しいゲーミングディスプレイ市場だけに、もうひと機能や価格面での健闘が欲しいところではある。しかしながら、リフレッシュレート300Hzを効かせたFPSや「ナイトビジョン」や「AIビジョン」といった独自機能、引き締まった黒と鮮やかな色彩の映像で楽しむゲームプレイでは、見事に真価を発揮してくれた。
当初懸念した300Hz駆動のポテンシャルを引き出すPCスペックも、検証の通りミドルクラスのRadeon RX 9060 XT 16GB搭載グラフィックスカードがあれば問題ないレベル。もちろんPCゲームだけでなく、Ultra HD Blu-rayの映画やアニメの視聴、PlayStation 5での120Hz VRRゲームプレイに至るまで、活躍の幅は広い。高リフレッシュレートで画質にも妥協しないWQHDディスプレイを探している人に、「MAG 274QPF X30MV」はなかなか魅力的な1台と言える。