独自設計のARGB対応オールインワン型水冷「PermaFrost」シリーズ
いまやハイエンドCPUの推奨環境に名指しされることもあるなど、ここ数年でオールインワン型水冷ユニットは、すっかり当たり前の冷却手段として定着した。選択肢もかつてなく豊富になっているワケだが、その中でもSilverStoneは、このジャンルにおけるパイオニアと呼べるメーカーの一つだ。まだオールインワン型水冷ユニットが市場に浸透する以前から、
「Tundra」シリーズに代表される、評価の高い製品を手がけてきた。
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いまや懐かしの「Tundra」シリーズは、2013年の発売。SilverStoneは、オールインワン型水冷ユニットの黎明期から製品を手がけてきた
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その現行ラインナップとして販売されているのが、今回の主役である
「PermaFrost(PF)」シリーズだ。発売からもうすぐ1年が経つ製品だけに真新しさはないものの、これまで積み重ねてきた実績から、市場でも確かな評価を獲得している。
シリーズラインナップは、ラジエターサイズ別に120mmモデルの
「SST-PF120-ARGB」、240mmモデル
「SST-PF240-ARGB」、360mmモデル
「SST-PF360-ARGB」という構成。いずれも冷却ファンには、アドレサブル対応の120mm口径RGBファンを採用する。ウォーターブロックのヘッドにもSilverStoneロゴのRGB LEDを内蔵、全身がRGBイルミネーションで飾られた、最新トレンドを体現するデザインになっている。
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現行モデルの「PF」シリーズは、昨年8月に発売。独自の冷却エンジンとARGBファンを組み合わせた製品で、3モデルをラインナップしている
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そのウォーターブロックには、
マルチチェンバー設計のポンプが一体化。冷熱チャネルを独立させることでベースプレート内の“熱漏れ”を防止し、効果的に熱を伝送する仕組みになっている。さらにポンプモーターには静音性に優れる
3相・6極設計、車載電子部品評議会の認証を受けた
AEC-Q100準拠の正弦波ジェネレーターを採用、電気ノイズや振動を最小限に抑えた。
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マルチチェンバー設計のイメージ。ベースを通った後の高温チャネルと、これから受熱する低温チャネルが完全に分離されている
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また、全銅製ベースプレートは、放熱効果に優れる0.2mmピッチのマイクロチャネル構造。ラジエターも自動車クラスの耐食性を備えた高耐久仕様になっており、ドイツ製ゴムと強化ファイバーで保護されたコンポジットチューブは、最大10万回の曲げに耐える強靭さを備えている。
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今回検証を行う360mmラジエターモデル「SST-PF360-ARGB」のパッケージ。
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なお対応プラットフォームは、Intel LGA775/115x/1200/1366/2011/2066、AMD Socket AM4/AM3/AM2/FM2/FM1。Intelの最新CPUである「第10世代Intel Core プロセッサ」にも対応、実際にどの程度の冷却性能を発揮できるかは、後のテストセッションで確認しよう。
ちなみに今回のレビューでは、国内正規代理店のテックウインド株式会社よりシリーズ最上位の360mmラジエターモデル「SST-PF360-ARGB」を借り受け、検証を行っていく。